第22話「うちの子がすみません。」
問題児は2階でテレビをつけながら、寝転び、オカキを食べる。まるで日曜日のお父さんさながらのスタイルだ。俺は側まで近付くとバハムートは気付き、近くにあったオカキの入れ物を自分を懐へ隠す。
「取らねぇよ!」
俺はそう告げると奴は本当だなと俺を睨み、睨んだかと思えばテレビに向き直す。俺は見慣れた彼女の卑しい部分を目の当たりにしながら、彼女の横に腰掛ける。
彼女が見ている"橙の大大大冒険"を一緒に見始めた。
ある程度…ワンクール…12話分の時間が経つ。
下のニーナ達の話し合いが静かになった気がした。
俺はお花摘みに行きたいため、下へと降りる。
階段が軋む中、俺が1階へ降りるとそこにはニーナとアリアしか残っていなかった。他のパーティメンバーは帰ったのだろう。キッチンに食器が片付けられていた。
俺は我先にとトイレへ向かう。
ニーナが何やら止めた気がしたが、気にする暇も余裕もない。
俺は勢い良くトイレのドアを開けた。
すると、中に入っていたのは1人の可憐な少女であった。俺はお約束の展開とかあるんだとか思った次の間には頭にクナイが刺さっていた。
「おぉ、ビックリだ。」
「扉を締めろ!曲者がァ!」
彼女は半べそかきながら俺に締めるように嘆願する。俺は扉をそっと閉めると待っていたのは鬼の形相をしたニーナであった。
「アンタねぇ…」
彼女の説教は数時間と続いた。俺が創造魔法で"尿意四散"という魔法を考え、実行していなければ今頃俺の座っている座布団は黄色に染まっている。自分の無駄なハイスペックさに関心しながらも彼女の説教が終わらないかなと今か今かと待っている。 説教は意外な形で終わろうとしていた。
なんと被害者が口を挟んできたのであった。
「もういい。次はやるなよ。次やったら殺すからな。」
…これ俺が我慢する系?だって鍵かけてないんだよ?どっちが悪い?俺?俺なの?
説教が終わって、初めてこちらだけに非が無いんじゃないかなと思い出した。
そんなことより、俺は1つの疑問を彼女にぶつける。
「この可憐な少女はどなたのお友達?」
ニーナは頭に手をやるとアリアが満面の笑みで答えてくれた。
「彼女はね。リリネって言って私のお友達。」
「そうか。」
なるほど、アリアの友達か…ん?
ちょっと待て…待て待て待て待て…
アリアの友達ってことは…
「アンタ、勇者パーティの子?」
「…うん。」
うおおおおおおい!なんて事したんだこれ!絶対に面倒になるパターンじゃんか!もぉぉぉぉぉぉぉ!
俺は何やってるんだ!と自分を責めながら何か彼女を労ろうかと考える。
すると彼女は怒る気がなかったのか…それとも失せたのか自身のことについて語り始めた。
彼女はリリネ・ロージャー。斥候役でよく俺に凶器を突きつけた奴。彼女は忍一族ロージャーの末裔。勇者パーティに入ったキッカケは学園に潜入捜査をしていた時にアリアに無理矢理勇者パーティに推薦され、そのまま否定する間もなく、加入することになったとのこと。そして、俺兼アリアの監視役として、ここに残ったとのこと。
どうやら、話を聞くとニーナが頑張ってくれたようだ。…そんなことより
「うちの子がすみません。」
自分の子供でないのに、アリアがこのザマで俺は謝罪してしまった。自分の子供じゃないのに。
横を見るとニーナまで頭を下げている。
ホント、あいつは直感というか気分屋というか"我が道をゆく"ってタイプだし、悪気もないからタチが悪い。当人のアリアに目をやるとポカンとしている。
ホントにこのポンコツ勇者は
俺とニーナはこの阿呆に一発拳をやろうかと悩みながら、リリネに頭を下げるのだった。




