第19話「俺の平和のため」
数年後、サノラ村は勇者が誕生したこと、魔族領への宿場町として利用され始めたことにより賑わいを見せている。
アルリタ帝国の人々は知らないだろう…ここで魔族が人間を守ったことを
俺はいつも通りソファに寝転びテレビを見ていた。
机にはポテチにコーラにetc
至福の時間だ。
俺は束の間の喜びを噛み締めていた。
「我が目覚めたァ!席を退けぇ!」
…早速崩れやがった…いつものことだし、気にしないが…
俺は瞬時に瞬間移動し、安全な位置に移動する
その理由は
ドゴォォォォォォン
「よし、今回も完璧じゃ!」
このなんちゃって龍種のバハムートが2階の床を突き破って1階のリビングまでショートカットするからである。
何度も注意したが…聞いてくれなかった。
俺は溜め息を吐きながら、天井を魔法で修復する。
その時だった。
「バハムート!今日は私の番よ!」
「いや、僕の番だ。」
2人の騒がしい声が玄関から伸びてくる。
ドタドタと足音を鳴らし、テレビのリモコンを奪おうとバハムートに飛びつく。
ニーナとコルンだ。
こいつらも大英雄と十二大魔将とかいう肩書きがある。
本当なのかな?
俺は再度溜め息を吐き、茶を入れるためにキッチンに赴く。
すると侵入者…勇者がいた。
「お前なんでまたここにいるの?」
「なんでもいいじゃないですか!師匠!」
師匠…俺の事だ。何故師匠かって?
不本意だ!
そう、あれは嵐の夜だった。
俺は窓を締め忘れていたことに気づき、締めるために1階に降りる。
窓を締めていると外に殺気…しかもかなりの手練…
俺はそいつの背後を瞬時的に取り、喉元に剣を押し付けた。
するとそいつは…勇者だった。
これが再開した俺達の出会いである。
来た理由はもう忘れた。
まぁ、そんなのはどうでもいい。
問題は
「師匠!修行手伝ってください!」
この美少女はワガママ幼女の如く俺の手を引っ張り、駄々をこねる事だ。
面倒臭い…俺はそう思いながら断れない。
こいつ…断ると拗ねて余計面倒臭いのだ。
"複写"
そう唱え、自身の分身体を出す。
そして、もう1人の俺の肩を叩き、
「頼んだ!」
と一言言うと不満そうな顔をし、文句を垂れようとする。
だが、そんな時間を勇者様は与えない。
「早速行きましょう!師匠!」
もう1人の俺の手を強引に引っ張り、外へ出ようとしている。
もう1人の俺は睨んでくるが気にしない。
これは俺の平和のためだから




