第18話「謝罪しろ」
コルンの方はほぼ一方的だった。
「どうしたシヴァ?僕の頭を潰すんじゃなかったの?」
「うるせぇよ!」
シヴァに状態異常がかけられている…コルンの『毒蟲』の影響か。
シヴァは闇雲に拳を振るうものの全て空を斬る。
恐らく視界にも影響あるな…効いたら厄介だな。
俺は瞬間移動し、奴の後ろに着くと、シヴァの首に手刀を入れて寝かせる。
するとコルンが俺に話しかけてくる。
「あれ?僕一人でも大丈夫だったのに…」
「…お前…少しずつ痛め付けようとしてただろ。」
コルンはニヤケながら、視線を逸らす。
「性格悪い…」
そんなやりとりをしていると
「ん?」
村人が俺に向かって石を投げてきた。
村人は俺を恐れているのだろう。冷や汗を出し、足を震わせながら投げている。
馬鹿な野郎だ。
俺は奴の首を捻じ曲げようと魔力を込めようとした。
するとニーナが間に入る。
「ちょっと待って!」
ニーナは村人を集め、何かを話しているようだった。
俺とコルンとアリアはポカンと眺めていると
「すみませんでした!」
村長と思われる老人が土下座をしてきた。
コルンが横に首を振る中、俺は感情をぶつける。
「ここに石を投げた村人の首を並べろ。」
当たり前だ。人に石を投げておいて許せなど馬鹿か?
「え?もう一度お願いします?」
村長は聞き返す
なら、もう一度言ってやろう。
「だから石を投げた人間の首を並べろ!普通に考えて有罪だろ!」
俺は話すと村長が反論する
「何故石を投げた程度でそのような…」
「石を投げた程度ねぇ…」
俺は大声で笑う。
「じゃあ、お前達は王族に石を投げたらどうなる?」
「勿論、死罪でございます。」
なんだ。結論は出たじゃないか。
「なら死刑だろ?」
「え?」
困惑する村長を置いて続ける。
「王族と俺だって同じ生命体だろ?ならなんで王族は死刑になって、俺はならないんだ?不平等だろ?王族だから石を投げては行けない?違う…全員平等に悪いことをしてない奴に石を投げたらダメだろう?」
持論に村長はついていけない。
そして、俺はニーナにそっと目配せする。
ニーナは察し、俺に茶番に付き合ってくれるようだ。
「この私の顔に免じて"石を投げた者が謝罪する"程度にとどめてくれないだろうか?」
…ホントありがとうニーナ。
「…そうだな。私も怒り過ぎたようだな。それで妥協しよう。」
俺はニーナの提案に賛成する。
しかし、村長が口を挟む。
「しかし、どうやって投げた人間を特定するのですか?」
「もう特定してある。」
俺が指をパチンと鳴らすと石を投げた村人が光る。
これは俺の意思でつけることの出来る発光する魔法だ。
そして、ここで一芝居
「これは石を投げた断罪者を神が照らしてくれている。英雄ニーナの意思に従っているのだ。」
それは聞いた村人は感嘆の声を上げた。
「流石英雄ニーナ様!」
「神はニーナ様を見ていらっしゃる。」
俺は阿呆な村人を見ながら石を投げたクソ野郎共を見る。
「さぁ、頭下げなさい。ね?」
すると奴等の1人がまだ抵抗する。
「ふぜけるな!魔族などに頭を下げるかぁ!」
奴は俺に石を投げる。
だが、そんなものは見えている。
俺は投げた石にデコピンをした。
すると投げたヤツの目にぶち当たった。
「あっ、すまん。」
俺は謝るが
「いじゃぁい!いじゃい!」
男は痛がりながら転がり回る。
それを見た他の村人は怯えながら頭を下げる。
そりゃそうだ。奴等の対抗手段すら反撃に変えられては、もはや反抗することは意味の無いこと。
俺はそれを見送ると用のない村から出ていった。




