第1話「俺死んだ?」
リアルの自分と似せています。自分は働きたくないです。人間と顔を合わせるのが苦手です。それを参考にしました。
「水…水…」
俺、北山颯哉は空を見上げていた。
「俺…死ぬのかな…」
そう、北山颯哉は脱水症状でもうすぐ死ぬのである。
話を遡ろう…俺が何故こんな状態になったのか。
端的に言うと俺が何もしなかったからだ。
ああ、言い方を変えよう。ニートだったからだ。
俺は学校も1週間ろくに通えず、勉強もしない。そんな人間に学校も仕事を紹介するはずもなく、卒業した後、働く宛もなく死にかけているところだ。
まぁ、仕事紹介されても長続きしないだろうな…
だってしんどいことやりたくないし…
だって、その気になれば仕事だって探せてやってる。
俺が今、この状況にいるのは、俺が働きたくないことを証明しているのだ。
だから、この選択に後悔はない。
あるとすれば…
「違う世界で生まれてみたかったな…」
所謂異世界…そこに行ってみたかった。
ドキドキハラハラな冒険、綺麗な自然の観光、強敵との死闘。
「1度で良いから…行ってみたかった…」
俺、北山颯哉の意識はそこで失った。
北山颯哉は18歳という若さで死んだ。
…
俺は目を覚ます。
「あれ?何故生きているんだ?」
俺は自身の指を動かす。
夢ではないか頬をつねる。
「…マジか。」
どうやら夢では無いらしい。
俺は現場を把握しようと辺りを見渡す。
なんと俺の後ろに老人が立っていた。
白い髪と髭を揺らしながら俺に話しかける。
「少年よ?名は?」
「…知らないで呼んだんですか?」
「いや、知っとる。」
なんだよ、この爺さん。
「こんな爺さんで悪かったのぉ。」
「えぇ!?」
俺は顔を驚かせながら、半歩後退りする。
心を読まれた…本物だ…この爺さん、神様だ。
「いかにも…ワシは神である。」
心と会話するなよ! と心の中でツッコミながら、俺は質問を投げかける。
「爺さん…俺は異世界転生するのか?」
俺が1番聞きたかったことだ。
すると、爺さんは答える。
「するぞ。」
俺は心の中でガッツポーズをしながら質問を続ける。
「それは魔法とか魔王とかのいるファンタジー世界?」
「そうじゃ!魔法とか魔王とかのいるファンタジー世界じゃ!」
「俺は魔法とか使えるようになる?」
「どの種族にも等しく使えるぞ。」
「最後に…どの種族にもなれる?」
「なれるぞ…エルフでも獣人でも…魔族でもな。」
どの種族にもなれる…俺は心の底から嬉しかった。
俺は人間生活に疲れた…
他人のことを気にしながら生きていく…そんなことに疲れたのだ。
なら…選ぶのは一択だ。
「俺…北山颯哉は魔族になります!」
もう人間との共存なんて考えられない…俺は自由に生きたいのだ。
すると神様は髭を触りながら笑う
「お前さん、最初から説明させてくれ。」
そして、神様の説明が始まった。
「大体分かると思うが説明させてもらう。決まりでな。ワシは創造神ノア。お前さんを転生させる世界を作った張本人じゃ。何故お前さんを転生させるのか…それは…」
するとノア様は頭を地面に付ける
「すまなかった…ワシのミスでこうなったんじゃ。」
「ミス?」
俺を見ながらノア様は続ける。
「実は天界の遥か上に人間を作る生産工場があるのじゃが…」
俺って作られた存在だったのか…
「その時になんらかの手違いでワシの世界行きのお前さんが地球行きになってしもうたんじゃ!」
「…は?」
…
何度か説明してもらい理解した…
「つまりは貴方のミスを隠蔽する為に異世界へ行くってことですか?」
俺は内心怒っていた。当たり前だ。本来ならこんな苦痛…することはなかったんだぞ?
「辞めんか、その言い方は…泣くぞ?」
いい歳した爺さんが泣くなよ…
俺は泣いてる爺さんに質問を再度投げかける。
「それで俺はこの姿で転生するんですか?」
すると爺さんは口角を上げる。
「それじゃと魔族になれんがいいのか?」
光が俺を包む。俺は眩しさに咄嗟に目をつぶる。
目を開けた時には
「おぉ!?」
俺は紫色の人間…魔族になっていた。
顔は…超美少年になっている。地球だったらアイドルやれてるぐらいじゃん。
「気に入ってくれたかの?」
ノア様はニコニコしながら俺に話しかける。
「はい、ありがとうございます。」
俺は感謝をし、頭を下げる。
「ほれ!」
ノア様は俺の方へ透明な板を投げる。
「それはお主のステータスプレートじゃ。参考にするが良い。」
なるほど、これが俺のステータス。下級魔人でスキルが創造魔法と成長度上昇(S級)と鑑定(S級)か。
「鑑定スキルは目についた物や人の情報自動的に引き出し、成長度上昇はレベル上昇時にステータスが一率に上がりやすくなる。想像魔法は…なんでもできる。うん。」
爺さん、説明放棄しやがって…
「最後に、お前さんに何かしてもらうとか、そんなものはない。だから…安心して自由に過ごせ!では!」
…もう転生か
少し不安だ。だが、俺は
「最高の人生にしてみせる。」
今度こそ!自由気ままに生きてやるぞ!