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探索-2

どれくらい走っただろうか。

どれだけ走り続けても周りの景色が変わらない。


走り続ける体力もなくなり足を止める。

後ろから何かが追ってくる気配もないので腰を下ろして休憩することにした。


よく見ると異様な風景であることに気づく。

道に面しているのに家は塀に囲まれ、入る箇所がないのだ。

全ての家がそうだった。


飲み物がほしい。走ったからか喉が渇いた。

公園には水飲み場があったが戻る勇気がない。

『社』を探すためにも先に進むのがいいだろうか。


どれだけそうしていただろうか。

相変わらず太陽は沈まないので時間が分からない。時間感覚はとうに失っている。


きっと公園に行っても大丈夫だと思えるようになった頃、腰を上げた。

それが希望的観測だとしても。


走った距離に見合わないほど近くに公園があった。

恐らく足を動かしても先へは進めない場所にいたのだろう。自然とそう納得していた。



公園には黒いものはいなかった。心から安堵する。

中央にある水飲み場で喉を潤す。


「美味しい…」


長い距離を走り喉が渇いていたのでまさに甘露のようだ。

気持ちが上向いてきたところで、『社』とやらを探すことにした。


恐らく道に先はない。

となると戻るほかないか。


公園を出ると夕日に背を向け歩く。


左右に注意を向けつつ歩いていたが『社』は見つからない。

気づけば1枚目の紙を見つけたアパートにまで戻ってきていた。


アパートの部屋のどこかにあるのだろうかと近い部屋のドアに手をかけたが開かない。

ドアノブが回せるので鍵がかかっているわけではなさそうだ。


最初に入った部屋以外は全てドアが開かなかった。


一度入った時には気が付かなかったのかもしれないと、紙を見つけた部屋に入る。

狭い1Kなので大して探す場所もない。


押し入れの中、コタツの中、こんなところにあるはずもないと思いながら探す。


やはりここではないようだと肩を落として部屋を出る羽目になった。


「あとは…」


アパート横の駐車場に目を向けた。


駐車場に足を踏み入れると建物の陰に目がいく。

よく見るとそこに社はあった。


「これか…?」


何の変哲もないもないように見える小さな社。

ひっそりとそこにあった。


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