第7話 侵入
「これ何処から入るよ?」
雄大が疑問を口に出す。
俺もそれは思った。
電機は通ってなさそうだから正面の自動ドアは開かないし、
壊すってなってもガラスとか危ないからな…
昨日は俺も外観を見ただけで中に入った訳ではないし
思案していると未海が
「2階の窓から入れるよ。ほら!」
指を指した方角を見ると窓のカーテンが風で揺れていた。
「あそこの窓だけ鍵が開いてて」
「そうなのか」
「私達もあこからよく出入りしてたから」
未海の言うように正面横にある階段使って二階に上がりその窓から中に俺達四人は入る。
肩をポンと叩き雄大が嬉しそうに話しかけてきた
「無事に入れてよかったな、はじめ」
。
「あぁ、これも未海のおかげかな」
「あーハイハイ」
「なんだよ、その顔。バカにしてんのかよ」
「してないしてないー さぁそんなことより、中を見て周ろうぜ」
「ホントに言ってんのか」
雨が降り更にもう夜が近づいている中で、歩き周るのは危険だと思った。
「暗くなって危ないから明日でよくないか?」
「なんか非常食とかの食い物があるかもしんねぇだろ? 俺さ、なんか腹が減って」
「そんなこと言って 俺達だって な悟」
振り返って悟の様子を見るとさっきよりも震えが激しくなり目の眼球すらも左右に震えだしていた。
「だめだ、我慢できねぇ 先行くわ」
ズケズケと歩いて行く雄大。
「ちょ、雄大!! 危ないだろ」
静止を聞かない雄大についていくことを決めた俺。
「ごめん悟、未海ちゃん。ちょっとそこで待っといて。すぐ戻ってくるから」
未海が分かったと返事をした次の瞬間、悟が奇声を発し室内の階段を降りて行った。
「悟!!?」
未海が慌てて追いかける。
「悟君は任して! はじめ君は雄大君のとこに行ってあげて」
かく言う未海は悟を追いかけて降りていく。
悟のことも気になるけど雄大も放っておけない。
悟には未海が付いているし、俺は雄大を
「!!?」
先に行った雄大を追いかけてると雄大が廊下の真ん中で立ち尽くしていた。
「どうしたんだ、なんかあったか?」
後ろから横に周って雄大の顔を覗き込むと、口を開けよだれを垂れ流しながら一点を見つめていた。