第2話 探索
一旦、俺は状況把握のために辺りを調べることにした。
まずは草木があまり生えていない獣道のような場所を進むことに決めた。
すると後ろから悟が
「一人じゃ危ないよ~」
そう言いながら笑顔で手を振っていた。
じゃお前も付いてきてくれ! と心の中で突っ込んだ。
不満を押し込めて俺は森の奥へ奥へと進む。
「暑いな、どこまで続くんだ?」
蒸し蒸しとする日本の暑さ。
蝉や虫達の鳴き声がより一層暑くさせる。
「道路はどこだ? ったく、あいつらは涼しく休んでるだけで……」
手伝わない二人にどんどん不満も出てくる。
「ちっ――。どんどん道が険しくなってくるな」
俺は果てしない右往左往する坂を上りきる。
すると建物らしきものが見えてきた。
「良かった、助けを――」
だが、そんなに甘くなかった。
当然だ。こんな山の中に人が居るほうが珍しい。
「廃墟か、 こんなとこに」
外観は錆びれ、建物がいつ壊れてもおかしくなさそうだった。
人はおろか、こんなところ、住み着いているのは鳥くらいだ。
正面の自動ドア? の埃まみれたガラスから中の様子が見える。
室内は荒れ、机や物が転がり倒れている。
「気味が悪いな――……ん?」
中をまじまじと見ていると【何か】人影が奥の廊下を横切った気がした。
寒気がした。
こんな場所ではホラーや都市伝説等の噂で興味を持った若者達が興味本位で来たりするが、俺は絶対にそんなのには行かなかった。
俺はどちらかと言うと幽霊や化け物を信じている類だ。
「とりあえず引き返すか」
廃墟を背に俺は来た道を引き返し、悟と雄大が待つ場所まで向かう。
そこに帰るまでまた長々とした道を行かなければならないが一本道で迷うはずはない。
そう。迷うはずないのに……
「道が、分岐している」
行く時には気がつかなかった、
どっちだ?! これじゃ帰れない…