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110 陰陽 4

売国奴として討たれた兄のせいで騎士団から追放された令嬢騎士レイシェル。

そんな彼女の前に最強を自負する転生者にして霊能者・ノブが現れ、秘宝神蒼玉(ゴッドサファイア)探索の旅へと誘う。

長い旅の末、二人は数々の仲間とともに神蒼玉(ゴッドサファイア)を入手。旅の目的を果たした。

レイシェルはそれを届けるべく首都を目指す。その途上で、最後の戦いが始まった――。

 改造怪獣メタルアントライオンの剣呑な大顎が繰り出される!

 だがSフェザーコカトリスは軽々と避けて宙に舞い、逆に上空からの必殺拳を叩き込んだ。

舞葬琉拳(まいそうりゅうけん)最大奥義! 斥火鳳烙(せきかほうらく)!』

 オウキの声と共に手刀の連撃が敵の装甲を切り裂く。

 さらにそこから変色し、石と化していく装甲。


 凄まじいまでの技の冴えだが、それも限界まで強化改造(チューンナップ)された性能によるもの。

 そしてそれをさらに押し上げる強化パーツによる物だ。

 操縦席の後ろには、伝送ケーブルを何本も頭部に接続したファティマンのシランガナーが腕組みして立っている。砲弾状の頭部内でいくつもの信号ランプが忙しなく点滅してた。

(正直、これを押し込まれた時はどうかと思ったが‥‥)

 オウキは内心ちょっと嫌がっているが、シランガナーの演算補助が機体の運動性と照準値を数段跳ね上げているのは確かなのだ。


 コカトリスが再び宙に飛ぶ。

 そこへレイシェルの声が凛と轟いた。

『【光熱の領域、最終第七の段位。真なる極小の核は分かれ融合する。速き風は光と共に全てを滅する】――ニュークリアーブラスト!』


 強く速き光と熱の爆発! アントライオン達はそれに呑まれ、光の中で崩れ落ちる。

 爆発が収まった時、反撃でダメージを受けていた物は煙を上げる残骸となっていた。


 しかし元が強靭で頑丈な改造怪獣である。

 中にはあちこちが焼け、砕けた状態で、それでもなお襲い掛かってくる物もあった。


『少し残ったか! だが!』

 そう言って立ち向かうドリルライガー。

『ドリルフィーバー!』

 両肩のドリルを手に持ち、胸の竜頭の三本角を回転させ、五つのドリルで敵を貫く!

 攻撃を受けたアントライオンがバラバラにされて吹き飛んだ。


 それでもなお、改造怪獣は全滅していない。まさに手負いの獣のごとく食らいついて来る。

 そのうち一機の放つ熱線がレイシェルのSエストックナイトに当たった!‥‥かに見えた。

『きゃ‥‥あっ、リュウラ!?』

 レイシェルの前で、射線に割り込んだクラゲ艦Cウォーオーが熱線を遮る壁となったのだ。


 外皮に焦げ目を作りながらも、リュウラは落ち着いて通信を送る。

『これも艦の役目だから。範囲攻撃、こっちに合わせて重ねて』

『わ、わかりましたわ!』

 レイシェルが了解すると、リュウラは呪文を唱える。

『【大気の領域、第六の段位。害意ある反応は生命を蝕む煙となる。煙は死で満ちて敵を包む】――ノクシャス・フューム!』


 リュウラの呪文がCオーウォーに伝達され、艦の武器として炸裂する。

 揺らめく緑の蒸気が改造怪獣どもを包んだ。装甲が溶解し、砕け、剥げ落ちる!

 そして間髪入れず、再び光と熱の爆発が蒸気の中で炸裂した‥‥!


 マップ兵器の連打を食らい、さしものアントライオンどもも残らず地に崩れ落ちた。

 全滅である。


 だがしかし――あちこちの地面が盛り上がり、アントライオンの群れがまた顔を出したではないか!

『敵増援!?』

 オーガーハーフエルフのエリカが驚愕の声をあげた。


「本当に出たな!」

 驚いたのはノブの肩にいるジルコニアも同じだ。

 それを聞いて魔人ジェイドは『ほう』と関心の呟きを漏らす。

『本当に、か。儂が増援を準備しているのを予想していたというわけか?』

「絶対にある、と確信していたわけではないが。十分にあり得る、とは思っていた」

 静かに答えるノブ。


 魔人ジェイドは納得したようだ。

『それも一人でここへ来た理由か。よかろう』

 核撃の魔力を五つ宿した拳を握りしめ、Eムーンシャドゥとの間合いを詰めるUディケイウィザード。


 迫る敵機を前に‥‥ムーンシャドゥを輝きが覆った。

 ウィザードの操縦席で、魔人ジェイドがモニターを見る。

『ふむ。スピリットコマンドで戦意(モラール)を上げるか。しかし最初からそれだけ使っては余力が‥‥む?』

 ムーンシャドゥを覆う輝きが変わった。

 透き通るような緑色を帯びたのだ。

 そしてノブの声が響き渡る。

「ブレイブドライバー!」


 ムーンシャドゥの中に装備された勇気の結晶。

 それが機体に大きなパワーを巡らせた。


 かつてならここで魔王剣を抜いて攻撃に出ただろう。

 だが輝きはさらに変化する。

 月光のようでもあり、日光のようでもある、光のオーロラのように‥‥!


『この光が‥‥』

 魔人ジェイドの声に、僅かな警戒が混じる。

 先に向かい敗れたマスタープリーストを撃破した力。その存在は承知でやってきた。だが一度しか使われていない能力を把握しきれてはいない。


(我が師トカマァクが何らかのパワー増幅機能を付けたのだろうが‥‥それが神蒼玉(ゴッドサファイア)に及ぶとは、ましてや優るとは思えぬ)

 魔人ジェイドはそう考えた。ムーンシャドゥの纏うオーロラはあくまで師からの助力だと思ったのだ。

 事実は少し違うのだが。


 だがそんな事はどうでもいい事。ムーンシャドゥは走り出した。

 ディケイウィザードへ向けて、力強く。


 己の腹に移植した神蒼玉(ゴッドサファイア)の、そこから全身へと流れ込む神の力。それを感じながら、魔人ジェイドはディケイウィザード最大の武器を放ち、ムーンシャドゥを迎え撃つ!

『ギャラクシアンマグナム!』

 五つの核撃を宿す必殺拳!


 光と爆発が激突した――!

設定解説


・現在のキャラクターレベル


ノブ達は40~41。

スピリットコマンドは5個目まで覚え、スキルはもう1~2度の上昇で成長限界に達する。


魔人ジェイドは45。

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― 新着の感想 ―
[一言] マグナムの上にはファントムがあるというのはガオガ●ガーもやっていた地球の掟(笑)。
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