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上質

美味そうな人間を見つけた。 私は玉座から立ち、斧を構える。 あの山下という奴からは、神器に接触した者の匂いがする。


 エレベーターが止まり、扉が開いた。 三人の冒険者が襲いかかって来る、戦闘の始まりは静かだ。


 山下が包丁で接近戦を仕掛けて来た。 銃を持った男が斧を弾丸で弾き落とす、銃が厄介だな。


 足を最適な形状に変化させ、銃持ちの懐へと飛び込む。 まずは腕だ。 腕をしならせ利き腕と見られる方の関節に打ち込んだ。


 銃持ちはとっさにナイフに持ち変えようとしていたが、打撃の方が早い、利き腕を破壊した。


 次はどいつにする? 山下は脅威ではない、三人目はどこに行った? 


 辺りを探している瞬間に、奇妙な化け物が驚異的な速さで飛びかかって来た。 なんだ、こいつは、

衝撃波を叩き込まれ、身動きが取れない。 化け物はゆったりと私を食っている。 食う? 私を? どうなっている? こいつは同類ではないのか?


 あぁあぁぁぁぁぁぁぁ! 助けてくれ! 誰か、おい、この化け物を止めろ…… 化け物が…….



    

    ******************************




 大男は死んだ。 マサクルにゆっくりと食い殺されて、死んだ彼らは見ていてくれただろうか。


 「クソッ、腕がやられた…… 中々の強さを誇る怪異だったな。」

 阿波多良29が腕に麻酔を打ち、傷口を縫いながら言った。


 「この怪異は我々の狩場に巣を作ったのです。 当然の報いでしょう。」

 マサクルが初めて口を開いた。 マサクル? こんな化け物を俺は呼んでいたか?


 「認識阻害を解かせて頂きました。 早くこの場を去った方が身のためです。 10分待ちます。 去らないのならば食い殺します。」

 化け物が言った。 こいつの言う通り、阿波多良29を連れ出して早く逃げた方が良さそうだ。


 阿波多良29は服からカードを取り出して銃を化け物へ向ける。


 「私は怪異ハンターをしていてね、貴様を殺すためにここへ上から送り込まれて来た。 山下さんは早く逃げなさい、巻き込まれるぞ。」

 

 「怪異ハンター? 何なんです? それって。」


 「それについては私が殺されなければ後で話そう、 今は、逃げろ!」

 化け物が会話の隙をついて衝撃波を発した。 俺は阿波多良29の言葉に従い、ただただ逃げた。 情けなく。


 後ろから叫び声が聞こえた。 阿波多良29は死んだのだろう。 今日のことは、どこまでが本当だったんだ? 怪異ハンターとは? 俺はダンジョン、いや、廃病院から抜け出した。


 呆然とするしか無かった。 5分間立ち尽くした後、俺は家へと帰宅した。 今日ことは、柳川にも話す必要があるだろう。

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