表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

第5話 スキル検証

「ごめんって、こんなところ呼び出して。何回も謝ってるじゃん。」


ハルキーはもう何度繰り返したかわからないやり取りに億劫さを感じながら、ラグエルに謝る。


(......もう、もういいですっ。わかりました。とりあえず現状確認ですが、現在地獄から天界へと戻るのは絶望的とも言える状況です。浮遊を使って飛んで行くにしろ、MPがもつはずがありません。周辺を見た限りでは、幸いここは一層の等活地獄でしょうしそれほど強い魔族もいないでしょう。)


「ん?ラグエルお前、地獄のことについて知ってるのか?」


(はい、一応末端とはいえ天使ですから。天界で大天使様へお仕えするための教養は日々学んでおりました。天界では転生した魂を一から教育し、いずれ神になるであろう逸材をつくりあげるのです。)


「へぇ...んで、天界と地獄があるってんなら人間界もあるはずだろ?そこに仲間はいないのか?」


(はい...実は長期にわたる天魔大戦により、人間界...いえ地上と呼べるものは消滅し、いかなる生物も活動できないような、まさに地獄の最下層無間地獄といっても過言ではないほどの劣悪な環境が広がっております。そこをくぐり抜けて天界にいくのはとても困難です。)


「なるほど...戦争してるんだったら今もどんぱちしてるんじゃないのか?ここが一階層だとしたら全然衝撃とかないけど...」


(地上から地獄までの距離は千由旬ほどあります。天界風にいうと1000キロですね。地上では四大天使様たちや智天使、座天使様など上位三隊や地獄の管理者、階層守護者が戦っておりますが以前拮抗しており、未だどちらの領地へも侵攻がなされてない状況です。現状確認はこのへんで...今はとりあえず天界へ戻る手段を考えましょう。)


「んー...わかった。強くなって地獄で一番強いやつ倒そう。そしたら、大戦も終わって俺たちも天界に戻れるだろ?四大天使よりつよくなっちまおうぜ!」


(そんな簡単な話ではないですが...たしかに現在階層守護者が出払っていますしね。気づかれないように我々が強くなっていくというのは手かもしれません...もしかしたら転移以上の移動スキルが手に入るかもしれませんし。)


「よし!きまりだな。そんじゃまずはスキルの検証つきあってくれよ。使い魔だろ?」


(いいですけど...使い“魔”じゃありません!腐っても天使、部下でお願いします。)


「細かいなぁ、わかった。それじゃ!」


「召喚!天使。」


ハルキーはそう唱えたが地面には何も描かれない。


「んー。不発か?いやMPは減ってるっぽいし..」


(大天使様は召喚のスキルレベル1でしたよね?レベルごとに召喚できる人数が増えていくものかと思われます。ですから今は上限なのかと。)


「いい働きだラグエル。参考にさせてもらうぞ。」


ハルキーは少し上官ぶった感じを出したが、大天使の自分より天使が優秀すぎる件について不満そうである。


「ハイ次!大天使の劔!」


「こい!!」


しかし何も起こらなかった。


「つっかえな!名前だけで剣すらでないんだけど!」


(んん...これは私もよくわかりませんね。私の学んだ普通の大天使様だと、そんなスキルはなかったはずですが...部隊にバフをかける天使の号令、ホーリーアローの上位互換である裁きの矢が出るはずなのですが...)


「一旦置いておくしかないな。よし、ホーリーアローの威力検証がてら鬼狩りに出かけるぞ。」


(承知いたしました。私は背後についていきますのでご命令とあらばなんでもお申し付けくださいませ。)


「おう、とりあえず援護はなくていいかな。検証を見ててくれ。じゃ、いくぞ。」


そういつつ二体の天使は穴ぐらから浮遊を使って飛び出していく。


「あらかた近くの鬼がいないなぁー。落とし穴に落としすぎちゃった。てへぺろ。」


(てへぺろじゃありません。大天使様。天使たるもの言葉遣いに気をつけていただきたく。)


「はいはい。きをつけますよーっと。」


むスーッとした顔でハルキーは捜索をつづける。


「おっいたいた。青鬼だ。よし。ラグエル特攻だ。注意を引きつけておいてくれ。」


(な、なんですって!?や、やりますがあなた様はどうされるんです?)


「まぁそれはお楽しみってことでほれ。いってこい。」


渋々ラグエルは鬼の視界に入る位置まで高度を下げ100メートル地点まで近づく。鬼がラグエルを視認し注意を向けたその時。


すると、鬼の背後に一筋の光が射した。瞬間鬼の体はボロボロと崩壊していく。


(一体何が...)


鬼の背後にいたのはハルキーだった。


「おーいラグエルこっちこっち。転移でシュバッと背後とってホーリーアロー打ち込んでみた。まさか一発でたおれるとはなぁ。」


(まったく、急に転移つかわないでくださいよー。

敵襲かと思ったじゃないですか!)


「すまんすまん。でもこれで転移の特性が1つわかったな。いったことがなくても視認できる場所なら飛べるっぽい。」


深くため息をつくラグエルであった...


ステータス

名前:ラグエル

レベル1/10

経験値0/10

HP7/7

MP17/17

種族:天使(大天使ハルキー部隊所属)

スキル:ホーリーアロー1/10

浮遊 ー

ヒール1/10

天使の心得 ー

耐性:対邪悪F


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ