4話 進化 そして 召喚
進化先
→大天使
堕天使
地獄の処刑人
(明らか大天使一択だろ..まぁ確かに状況が堕天使っぽいし、人間に戻れる道もあるけど..この地獄で生き抜くためには大天使が良さそうだ。)
選択した途端、意識が朦朧としだし、抗うことのできない眠気に襲われ、やむなく意識を手放した。
<大天使の種族スキルが追加されます>
<余剰分の経験値が追加されます。>
<耐性対邪悪がCへ変化しました。>
<ホーリーアロー2/10が統合されます。>
ステータス
名前:佐藤 春樹
レベル5/25
経験値110/152
HP156/156
MP180/180
種族:大天使
スキル:ホーリーアロー3/10
召喚 天使 1/10
大天使の劔 ー
転移 ー
浮遊 ー
威圧6/10
耐性:対邪悪C
対人間D
眼を覚ますと、俺は生き埋めになっていた。
「なんでやねーーんっ!って声が出る!視界が狭い!手足がある!まっ、まさかっっっまさかの!
人間だ!ヒャッホーゥ!」
「体がでかくなったせいで埋まってますけどね。えぇ。」
一旦土を掻き出して座れるほどのスペースを確保する。
「おーちゃんと進化できたみたいだな。裸?だけどアソコになんにもついてない...つるっつるの虚無。これが無性ってやつか...」
自分の姿をくまなく確認してみると、肌は白に近いほど明るい色いや、輝きを放っており、髪は白、身長およそ170センチ程度の青年になっていた。
「顔はまぁ今は見れないからいいとして...キット美少年だろうしね。今後の楽しみにしておこうね...頭に変なのついてる...輪っかだな。うん。どういう原理でついてるのか分からんが円にギザギザの装飾っぽいのがついた天使の輪っかがついてるな。さわれないらしい。ほえーまじで天使になったんだなぁ。翼とか出せちゃったり?」
背中に力を込めてみると、ニョキッとホーリーアローが二本同時に出た。
「う、うんホーリーアロー君も健在で嬉しいけどちょっと違うかなぁ..」
「とりあえず魂回収しに行こっと。」
球の時の感覚と同じ要領で浮遊を使いこなしながら穴の最深部へと下っていく。
そこには大量の魂が漂っていた。
「大量大量!さーて吸収だ!」
手を触れて吸収してみようとするが取り込むことができない。
「まさか食せと...いいだろう、パクっ」
それは土っぽい泥と血を混ぜたような吐き気を催す味だった。
「おえぇぇぇぇえ、味覚が追加されてる上に魂クソまずいんだけどっっ。けど強くなるためだ無心で飲み込む...んだ..おぇぇぇ」
合計5回ほどキラキラを放出してしまったがなんとか魂は胃の中に収めることができた。
「進化もいいことばっかりじゃないな..さて、お楽しみのステータス確認たいむ!」
気を取り直して自分のステータスを見る。
<威圧が10/10になりました。覇気1/10へと変化します。>
<耐性 対人間がAになりました。>
<死体蹴りが10/10になりました。 拷問1/10へと変化します>
「おお!凄まじい勢いでHPやらなんやら増えてる!!大天使スキルとか、かっちょええぇ!」
「ま、まて今まで入手したことなかったけど死体蹴りスキルて...天使が絶対持っちゃいけないやつ...ましてや拷問とか悪魔じゃん!」
「一旦おいといてと。スキル検証のトップバッターはこれだな。」
「召喚!天使。」
大天使がそう唱えると地面に魔法陣のようなものが描かれ、小さい元の自分のようなサイズの赤色の球体が出てきた。
(大天使様。天使ラグエル、契約に応じ参上仕りました。)
そう脳内に直接語りかけてくる。
「ラグエルっていうのか。よろしく!俺は..大天使ハルキーだ。ラグエルは何ができるんだ?」
(スキル エンジェルアローの使用と、ヒールでございます。ところで大天使ここはどこです?地下にしてもいささか暗すぎるような..)
「あー...ここは多分地獄だ。地獄の地面を掘って作った落とし穴のなかだな!ははっ。」
俺は自分でも状況にアホらしさを感じながらも自分がみたままの状況を話す。
(っっっっ、大天使様!大天使様といえど、なんてところにいらっしゃるんですか!今は天魔戦争の真っ最中ですよ!?こんなところに大天使がいると知られたら、すぐにでも地獄管理者クラスの敵が襲ってきます!はやく天界に帰還なさるべきです!)
「そうはいってもな..天界にどうやっていくんだ?」
(大天使様なら種族スキルで転移があるはずです!一度行った場所ならどこへでもいける転移ならあっという間でしょう!)
「あー...俺地獄の生まれらしいんだわ..すまんけど天界に行ったことがない。」
(なんですって!?そんな...そんなことあるはずが..)
ラグエルは現実が受け入れられないと言った様子で戸惑いながら周りをフワフワと漂っている。
(召喚によって結ばれた契約はあなたと魂をつなぎ、いわば一連托生の状態にするもの..私の運命はあなたと共にあるということです...まったく!なんてことしてくれたんですか!)
「そうはいってもなぁ..」
頭をぽりぽりと掻きながら腕を組み考え込むハルキーであった。