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第2話 俺は天使らしい

(種族天使って...クラゲじゃなくて天使かーい!)


(いや十分嬉しいんだけどね!?このフヨフヨした球みたいなのが天使でいいのか?)


(そもそもここ地獄だよね...正確にはわからないけど、地獄だよね!?大事なことなので二回ry)


(あー突っ込むとこが多すぎる。また鬼に追われても嫌だし一旦隠れるところ探すか...)


フヨフヨと空に漂い、何か遮蔽物のあるところがないか上空から探す。


すると発見したものはどれくらいの高さがあるのかわからない天まで高くそびえ立つ様な地獄の門と、先程と同じように鬼ごっこしている鬼と人間、周りは門に続いて高い塀で囲われているようだった。


(なるほど、逃げ場はないってことね!!泣くよ?)


さっきくらいの図体の鬼がまとめて襲ってきたらひとたまりもない。


(なんとか次も勝てる算段を考えないと...)


球は必死に前世でプレイしたRPGの記憶を頼りに思考を巡らせる。


(ステータスってのを見る限り消費されたMPは12、だけど、レベルアップした分、上限値が上昇したかもしれないからホーリーアロー1発で使うMPは検証してみないと分からないな。だが、レベルアップしてもMPが回復しないところを見るに時間経過で回復するのかもしれない。流石に回復ポイントなんてないよな...?威圧ってスキルは今のところ必要ないだろう)


(いや、待てよ..そもそも鬼を倒さなくても手っ取り早くレベルを上げるなら逃げ回ってる人間を倒せば良くないか?....いや、ダメダメダメ元人間たるもの流石にそれは道理に反するよな。まぁ最悪は...南無。)


すると突然眺めていたステータス画面のMPの表示が5から4に変わった。


(Noooooo!!!!回復するどころか減ってるじゃん!あ、もしかして浮遊してるから?急いで誰もいない場所狙って着地ィィィイ)


(降りたはいいがこんなとこに球あったらさっきみたいに潰されかねないな。しょうがない地面に潜ろう。)


苦肉の策で球は穴掘りを始める。もちろん回転して赤色の地面をちまちま削っていくのだ。


(ぁぁぁあ目がマワルゥゥ、あ、目なかったわ、ヨホホホホ。)


やがてすっぽり体が埋まるくらいの穴ができどうにか回転しながら完全に身を隠した。


(ふー。一旦安心だな。頼むMP回復してくれよー。回復してくれないとまじで死ぬ。物理的に死ぬ。あ、ついでに回復までの時間を測ってみるか。)


1、2、3、と時間を数え始める。む、途中から数えても意味ないわ。と、20分程度数えて思った時、MPが5に戻った。


(やった!回復した!でも、もっかい数えまーす...)


そしてまた数え始め、30分が丁度経過した時またMPは1増えた。


(なるほど30分ね。頭のメモ帳にメモメモっと。天使なんて寿命凄まじそうだし気長にまちますかねー。)


束の間の休息に気を緩めながら暫しボーッとする

天使なのであった。


MP15/17


(うむうむ。いい感じだな。もっと回復するんやでー。)


まるで我が子のようにステータスのMP欄を見つめていると、たったったったと足音が聞こえてきた。


(ん?どんどん近くなってくるぞ。って!ぐぇ!!

踏まれたんだが!)


あまり深く掘ってないせいか直に踏まれた感触が伝わる。


HP10→9


(ぁぁぁ少ない体力が減ったぁぁぁ!許さんぞ人間!塵芥にしてやろうか!)


そうプンスカしていると、すぐに別の足音が聞こえてくる。ズシンズシンズシン...


(あー、、、確実に不味い奴っすね。踏まれたら死ぬ。確実に死ぬ。緊急脱出じゃい!)


球はスポーンと浮遊を使って地面から勢いよく飛び出した。すると、飛び出した矢先に大きな図体の、今度は青色の鬼と目が合う。足音が聞こえるだけあって距離はほとんどない。


(ちっ、ちーす...お疲れ様でーす)


踵を返してみるが、もちろん目もくれず鬼が問答無用で棍棒を振り下ろす。


(ちょちょちょちょ!まって!くっホーリーアロー!!)


驚いた弾みに撃ったため、ホーリーアローが棍棒に命中してしまう。


パキィィイン。ホーリーアローは悲しくも棍棒の勢いは相殺できたものの鬼にダメージは与えられず粉々に砕け散ってしまう。


(一旦、距離取らなくちゃ!天使ダッシュ!)


球はすぐさま鬼から距離を取ろうと飛翔する。


「****」


ズシンとまた圧力が球の全身にふりかかる。


(あーまたこのパターンね、ホーリーアローッッ二連発!)


先程と同じようにホーリーアローを繰り出すが、一発は腹部に直撃。だが、それを物ともせず鬼は、棍棒で一発を弾いた。


MP15→6


(この鬼、ダメージを受けてもものともしてない!痛がってる隙に打ち込むのは無理そうだな...MPの減り的に1発3って考えるとあと2発しか打てない。もう1発で倒せるはずだから、ちゃんと狙わないと...)


ヨロヨロと浮遊が保てなくなりつつも、球は狙いを定める。その刹那あることを閃いた。


(はっっ!二連発連射できたってことはもしや...同時発射もいけるのでは?)


(頭と足を狙って...力の入れる箇所を二箇所に引き絞ってっっファイヤ!)


見事思惑通りに弓は二本同時に飛んで行く。


「グガァァァァア」


鬼は叫び声をあげながら悶え、鬼の体はボロボロになってゆっくりと崩壊してゆき、魂のようなものをドロップした。


球はまたそれを吸収する。


(だいしょーりーー!)



てってれてってっててー。


突然脳内にファンファーレが鳴り響く。

<リトルデーモンを倒しました>

<経験値25を獲得しました>

<魂の取得により耐性 対人間Fを獲得しました>


レベル3→4


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