火種
ごくりと喉をならしたFはメリットとデメリットの天秤にかける。
(俺にわざわざゲームを持ちかけ精神的な負担がでかい、恐らくデスゲームのようなものをやらさられるのか?)
Fには一回だけデスゲームの仕掛け人をした事があった。計画は完璧でも人は窮地に思いがけない機転を効かせて危うくデスゲームがご破算になりかけて冷や汗を流した覚えがあった。
報酬は莫大だが精神的な負担が大きすぎ二度とゴメンだと何度か依頼されたが全て断っていた。
だが今回は別だとメリットいや欲望で無理やり天秤を傾けた。
「良いだろ、ゲームを受けようじゃないか。」
「F、君ならそういうと信じていたよ。ではゲームの内容はいたってシンプル何人をネットの書き込みで炎上させれるかだ。無論ブログ主に交渉してわざと炎上させる行為は無しだ。」
「は?」
Fは余りに馬鹿げた内容に呆気にとられた、何故ならば既にブログを炎上させる準備が出来ている候補が100は有るのだ。
ブログ炎上させると言っても批判される行為をブログの主がしない限り実際はかなり難しいのだ。
「期間はそうだな花火大会と言うのが開催するそうだな。それに合わせて今から三日後はどうだ。」
「ハッ!随分と舐めたゲームだ、が良いだろお前の提案受けよう。
花火大会の打ち上げと同時に結果をお互いの端末に送信と、あとは不正防止で書き込む時はその様子を動画で一端中継端末に保存する事だ。
お互いに中継端末に誰も接触しないよう監視を置く、それぐらいはさせて貰うが問題ないよな。」
燕尾服の男は顎に手をやり思案したあと頷く。
「フム………まぁ良いだろ、ではゲーム資金は渡しておこう。」
「なに?」
ブブ
Fの端末に仮想通貨三千万が振り込まれたの確認すると、呆気とられてしまった。
「どうした?それぐらいは必要だろ、情報はタダで手に入らない物理的な働きかけはある程度は必要だろ?」
「そうだな………流石に三日と成ると金で情報を買わないとそんなには数こなせない…………が1つ条件追加だあんたは異界の能力を使うのを禁止だ。」
「ふ、当然だFお前が出来ない事をしてゲームしても楽しめないのではつまらん。だが随分と気付くのが遅かったな危うく落胆するとこだったぞ。」
「っ、流石の俺でも非現実的な事されたら思考が追い付かなかったがこれからは違う。お前が驚く結果を出してやるよ。」
「フム、それは楽しみにしてよう。」
燕尾服の男はそういうとゆっくりと床に沈ん行き始めるのを見てFは慌てて声を掛けた。
「まて、お前の名は何て言うんだ?」
「名は、【エンヴィー▪ヘル】さあゲームの始まりだ。」