基礎を伸ばす時期なのです
新キャラがちらっと登場します
魔国で過ごすこと数ヶ月……魔族領での暮らしはとても平和だった。エリーにお金を借りて冒険者登録をして日々の生活費を稼いでいる。冒険者になったお陰で、魔国周辺の生態系に詳しくなり、優しい先輩方によって最低限の自衛くらいは出来るようになった…………と言っても戦闘については大したことは教わっていない。基本的に足場の悪い場所での効率のよい逃げかたや効率のよい体力作りを教わっただけだ。取り敢えず、生き残ることを考えろと教わった。しかし、俺はあまり魔国の外には行かない。薬草採取や魔物退治はろくな装備もない俺には危険すぎるし、エリーにも禁止されている。もっぱら国内での雑用をこなす毎日だ。それでも宿に泊まるくらいのお金は稼げるし、少しずつエリーに借金も返している。ちなみに、掃除というスキルがいつの間にか生えていた。
「…………取り敢えず、これで今日の目標金額に届いた! 宿に戻ってスキルの訓練に筋トレ……あと、エリーに教わった魔力操作の訓練かな?」
エリーのお陰で、自分の魔力を感じ取ることは出来るようになった(物凄い集中しなくてはいけない)。しかし、未だに魔力を操作することが出来ないでいた。魔法を使うには魔力の精密な操作が必要だと言われているのでまだ魔法らしい魔法を使えないのである。二次元主人公たちがあっさりと魔力を操作しているのをよく見るが何故あっさりと扱ったこともない物を扱えるのかわからない。などと考えながら歩くこと十分とかからないうちに宿に着いた。
「タク坊! 仕事お疲れさま」
扉を開けると元気な黒髪の女性がいた。見た目は宿の看板娘さながらの若さだがこの宿の女将である。旦那さんは普段は調理や部屋の掃除など裏方仕事をこなしている…………ちなみに未だに会ったことはない。
「うす! 女将さんもお疲れ様です。今日も夕飯まで部屋に籠ってるんでよろしくっす!」
この口調が気になる人は多いと思うがあまり気にしないでくれ。冒険者になって運動部的なノリに染まっただけだから。部屋の鍵を受け取るなどの手続きをしていると厨房から女将さんによく似た金髪の女性(と言っても見た目的には俺と同い年位)がやって来た。彼女は女将さんの娘さんで[ソフィア]さんだ。性格は旦那さん似らしく裏方仕事をこなしている。
「こんにちは,ソフィアさん」
いつも通り挨拶をすると彼女は少し頭を下げて直ぐに厨房に戻っていった。これもいつも通りだ。女将さんと旦那さんの名前は聞いたことがなく、ソフィアさんは声を聞いたことがない。女将さんに名前を聞いたことがあるが
「女将さんでいいよ……お母さんでも可! 旦那はお父さんって呼んでやりな?」
とからかわれたため聞くのをやめた。別に変な距離が空いている訳でもないため別に気にしてはいないのだが、ソフィアさんに関して言えば違う。女将さん曰く、人見知りが酷すぎる女の子と言う訳ではないらしく、あのような態度をとるのは俺だけだとか。これって嫌われてるのかな?
「でも……嫌われてるって感じでは無さそうなんだよなぁ」
いくら考えたところで答えは出ないため、部屋の中央で座禅を組む――ベッドだと背筋を伸ばしにくいため床に座るのだ――とゆっくりと呼吸をして鼓動を感じとり、自分の魔力を掴み取る。これが無意識で出来ないと魔法を使えないので、まだまだ魔法までの道のりは遠い。掴み取った魔力をゆっくりと体に循環させ……ようとして失敗した。魔力を見失ってしまったのだ。
「…………うぅ。難しすぎる!」
もともと魔法のない世界から来たせいか,才能がないのか魔力の循環が出来ない。自分の魔力を感じ取り、掴み取るまでの時間が短くなっているため成長しているのはわかっている。もっと集中すれば周辺の魔力も感知出来るようになったため、確実に成長しているのだが上手くいかない。それがもどかしいのだ。
「《自己分析》」
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《ステータス》
名前:白河 拓真
種族:人族
性別:男
年齢:17歳
称号:異世界からの訪問者召喚されし者
スキル一覧
[ラージスキル]
危険察知 逃げ足 隠密 集中 基本防御術 基本反撃 基礎魔力感知 掃除
[アーツスキル]
言語理解
[ユニークスキル]
自己分析 超回復
†文字をタップすれば説明が表示されます†
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「スキルは増えたけどこれはちょっとなぁ。もっと訓練しよう」
スキルは基本的に使おうと思うだけで使える。より多く使うだけでもある程度はスキルの効果も高くなる……が、スキルなしで鍛え上げた技術に加えてスキルを使った方が効果は高いので、スキルの訓練とは技術の切磋である。
「あと一週間で最低でも《基本》《基礎》が取れるくらいにはしたいなぁ」
魔国のお金は、
1,低魔石:約百円
2,魔石盤:約千円
3,魔力紙:約一万円
4,高魔力紙:約十万円
と言ったところ。
低魔石や魔石盤は五百円サイズの五角形で少し透き通っている。低魔石は水色,魔石盤はオレンジ。魔石紙,高魔力紙は紙といっているが素材は低魔石や魔石盤と同じ。加工したあとが紙とにているだけ。大きさは五百円玉を2つ並べたくらいの長方形。色は黄緑と白。種類が少ないのは特殊な技術で加工されているためだとか。




