ボス戦
お待たせいたしました!
アニカにより、ボスの居場所を突き止めた俺たちは急ぎ、ボスの下に向かった。
「…………気持ち悪い程に魔力が濃いんだけど」
「これは……私でもボスの詳しい位置が掴めないわね。迷路状の部屋なのは、狭い範囲を自分の魔力で充満させやすいように……って事なのでしょうね」
「けど、なんとなく気配は掴める。何も分からなかったのに比べれば段違いにやり易い。気配はタクマも分かるでしょ?」
ヴィスタの言う通り、気配は掴める。とは言え俺は、二人と違い何となくでしか気配が分からないから避けるくらいしか出来ないだろう……むしろ避けることすら怪しいレベルだ。潜ってきた修羅場の数が違うと言われてしまえばそれまでだが……二人の足手まといでしかない今の状況に、男としても,パーティーのメンバーとしても不甲斐なさでいっぱいだ。ぶっちゃけ悔しい。
「思ったよりも苦戦させられたけど……これで終わりよ!」
アニカが先手必勝とばかりに強力な炎を放つ。俺もそれに合わせて風魔法で酸素を増やして炎の勢いを加速させた。過剰な程の攻撃を与え、これで終わりだとため息を吐いてしまった。
「ゴフッ…………っ____! 何で!?」
腹を刺された俺は、消えた筈の気配を背後に感じ取った。振り向くと、そこには手のひらサイズの人形……妖精がいた
「……どうなってんのよ。この程度の妖精なら消滅してるはずなのに……っ!」
「ふふっ! 面白くなってきた」
構えをとる二人に次いで、俺も怪我を再生させてナイフを構えた。そして…………戦闘が始まった。
* * *
「くっそ! また姿が見えなくなった!」
「今度は気配も掴みにくい! というか気配が至るところにあるわ! どうなってるのよ……!」
「アッハッ! ハッハァ!! ここまで面白いものがあったなんて! しかもこんな変な所にさ!」
「笑ってないで何とかしなさいよ!」
「同感! ゴハァ……二人とちが…………て! 俺は逃げる事すら……既……にっ! 怪しいレベルだ!」
俺はボスからの逃走を始めてから、30分足らずでボロボロになった。何故かわからないが俺だけ執拗に攻撃されている。二人は攻撃を上手く避けるからだろうか? それとも多少の負傷は一瞬で治って厄介だと判断されたからだろうか…………サンドバッグとしては上等で面白いからではないと信じたい。
「それにしても……本当に正体がわからないわ。妖精系統かと思ったけれど、こんな不死染みた奴は知らないもの」
アニカの声に力がない。封印中に起こった生態系の変化について、覚悟はしているとは言っていたが、流石にここまでの予想外には戸惑いが隠せないようだ。ヴィスタは逆にとても楽しそうだ。俺がそう簡単には死なないという信頼からだろうが、この戦闘狂っぷりには流石に呆れざるを得ない。
「アッハハハハハッ! 不死身と言えばタクマもだけどね。あと、何となくだけど正体がわかったよ!」
ヴィスタの何気ない一言に驚いたとともに、思考を巡らせてくれていたことに感謝した。流石に俺は、考えられるような状況ではなかったしね。
いよいよダンジョンアタックが終わるかな?
終わるといいなぁ




