ダンジョン(6)
アニカと行動するようになってなら、こんな意味不明な攻撃を受ける事になるだなんて思いもしていなかった。俺は兎も角として、アニカに感知されない化物が出てくるとか考えもしなかった。
「二人とも! 取り敢えず走るわよ! タクマは対策を見つけるまで血を撒き散らしながら走って!」
「鬼畜か!? 俺,初めてお前のこと悪魔だと思ったよ!! 水魔法とか他の方法はダメなのか!?」
「…………あ。ごめん,こんなの久しくなかったから焦ってた。三人で水を撒こうか。ヴィスタは……」
恥ずかしそうに頬を掻いたアニカは、直ぐに切り替えてヴィスタを見たが、家の神様は楽しそうに笑っていて、自力で倒すつもりなのがありありとわかる……戦闘狂だから仕方がない
「アッハハハハッ!! どうなってるのかな! こんなのもいるなんて思いもよらなかったよ!」
本ッッ当に楽しそうだなぁ! おい!?
* * *
走って走って刺されまくる地獄の鬼ごっこは30分以上続き、俺の体はボロボロになっていた。最初の一分程度は水撒きの効果もあったのだが、それも意味を成さなくなり、一方的に攻撃を受けるのみとなった。避けるまもなく刺され、攻撃は当たらず、何故か俺を執拗に刺す。しかも、急所を態々外すと言うおまけ付きだ。
「ハァハァ…………ゴフッ! 打開策は……ハァ…………何か……見つ…………け……コホッられた……か?」
「ごめん! 本体が近くに居ないのは分かるのだけれど、見つからない事にはどうにもならない!」
二人ともダメージを受けていない故に、打開策を考えては貰っているのだが、走っている上に迷路のような道を記憶しながらの作業故に苦労しているようだ。始めは楽しそうに走っていたヴィスタも真面目に索敵している。
「……ダンジョン主の魔力が他の場所よりも濃い。多分、ダンジョン主に近しい……つまり、ダンジョン主の魔力で産み出された魔物…………若しくはダンジョン主が攻撃してるのかもしれない。正体は、質の悪いことに肉体のないゴーストか精霊のような魔物が濃厚」
こんな真面目なヴィスタは初めて……まるで能面のような真顔。顔が整っている分、真顔が怖い。真顔でも神の権能を使わないと言うことは、俺自身にまだ余裕があるからだろう。回復で消耗しているエネルギーは、携帯食を食べまくって補充している。その携帯食の量にもまだ余裕がある。
「……見つ………………けた! かなり集中しないと分からないけど何とか捕捉……多分こいつがボスでダンジョン主よ」
どうやら俺は、ようやくサンドバッグ業から解放されるらしい。
短文,低クオリティですけど読んで下さり感謝感激雨霰!
ここからは突然の裏設定
・実は神の権能はそこまで便利ではない。神々の直接的な干渉は良い悪いに関わらずかなりの影響が出てしまうので、ヴィスタが依代を使っている時は必要以上に能力を制限している。故に、依代を使用している現在分かることはそこまで多くない
・ダンジョンには二種類ある。一つは核となる多量の魔力が元から存在していたダンジョン。魔石や魔力の溜まってしまった場所に主となる生物がダンジョンを作ることが多く、主となると知恵がつく。
もう一つは、核であり,主となる強力な魔物が一ヶ所に住み着いた場合。それほどの魔物であれば、もとより賢い。




