ダンジョン(5)
書きたい小説アイディアが溢れ出てくるのに既存の作品のアイディアは停滞する……悲しい
しっかりと休憩を取った俺たちは、フロアボスの討伐のためダンジョンの探索を再開した。アニカの探知能力のお陰で、然程疲労するような魔物との戦闘もなく(ヴィスタは不満そうではあったが助かった)時間も思っていたよりかけず、ボス部屋を発見することが出来た。
「転移させられたから詳しい階層は分からないけど……この階層の難易度的にも油断しなければボスは大したことないと思うわ」
「アニカの言う通りだね。楽しんで行こう!」
戦闘狂を無視した俺は、ゆっくりと深呼吸を繰り返し魔力を身体中に循環させていく。回復した魔力に携帯食での栄養補給,武器の手入れとスキルの確認……しっかりと一つ一つを確認して心を落ち着かせていく。
「よし……準備は出来た。何時でも行ける」
「わかった……扉を開けるからヴィスタも落ち着いてね。戦闘を楽しみたいからって変なことをしたら駄目よ」
アニカは、母親のような事を口調でヴィスタを嗜めながら扉を開けた…………余裕があるからだろうが気が抜ける。けれど、彼女に油断が無いのは流石としか言えない。ヴィスタもヴィスタで軽く返事をしながらボス部屋に入っていくのだから凄い。俺は二人と違ってそこまで落ち着いていられない。
「…………ん?」
ヴィスタに続いた俺が見たものは酷く困惑する部屋だった。否,通路であった。
「…………何これ?」
俺に続いたアニカも困惑している様であり、唯一ヴィスタだけが興味深そうにニヤニヤしているのが印象的であった。
〜アニカside〜
ボス部屋に困惑しながらも、私はフロアボスを探知しようとして、更に困惑する事となった。部屋全体が迷路のような構造で、ボスが見つからない。ハッキリ言って異常の一言に尽きる。自分で言うのも変だとは思うが、私の探知魔法を欺けるレベルの生物なんて早々いない。それにも関わらず魔物は見つからない。誰が倒した……なんて事も無いはずである。
「ゴフッ……!!」
そうやって思考の海に沈んでいると、タクマがいきなり血を吐き出した……と言うかお腹からドバドバと血を流している。
「何っ!?」
「な……っ!? あり得ない……気配が全く感じられなかったのに!」
油断なんてしていなかった。にもかかわらずタクマが傷を負った瞬間でさえ何も感じとることが出来ずにいた。
「少しは心配してくれ…………って後ろだアニカ!」
タクマの焦った声に身体が勝手に横に飛ぶ。私がいた場所には、タクマの血によって出来た獣の足跡のようなものがあった。それを見て、私は久しく感じていなかった恐怖に襲われた。
「…………僕は何も探知出来ないんだけど二人もそうだよね? アニカでも探知出来ないって言うのは予想外だなぁ」
「俺についてはさっきの負傷で察してくれ…………て言うかアニカが分からないならこのメンバーの誰も分からないって」
本当に困ったわ……想定外過ぎる厄介な相手。タクマの血を目印にするなら短期決戦しかない…………後悔先に立たず……ね
〜アニカsideout〜
相も変わらず短いですが暖かい目で見守ってください




