後悔
やっと投稿です!
ヴィスタの戦闘狂が判明してから、数分後のこと。俺とアニカは、約束通りヴィスタに質問をした。神であるヴィスタだからこそ知っていることもあったが、世界に神が干渉するなんてことは基本的にだが無いそうで、知りたくもなかった事実もわかってしまった。ヴィスタ曰く
「人も魔族も神からすれば等しく見守るべき存在なのさ! 故に基本、手出ししない……結論から言えば、僕には君たちを帰す方法を持ち合わせていない」
とのことだ。そもそも、魔族と他の種族が敵対しだしたのはとある転生者の所為だという。
「他の世界で死んだ悪人の魂が、僕の世界に紛れたのが始まりだった。その悪人は、魔族に生まれ変わり他の魔族を扇動……世界に戦争を吹っ掛けたのさ。そいつってば無駄にカリスマがあってね……それが初代魔王って奴。その時の僕は、細かな力の調節が出来なくて……その所為で直接、世界に手を出せなかった。苦肉の策として、別の世界から正義感の強く,死んだばかりの人間に力を与えて召喚することにしたの」
「まさか……それって」
顔をしかめながら……悔しそうに話すヴィスタ。その顔を見て、俺とアニカは察してしまった。
「そう……それが今の異世界召喚の魔方陣の基礎。人間がそれに手を加えて、改悪したのが今の召喚陣さ。ごめんね。つまるところ、全ての元凶は僕ってことになる」
続けて、魔方陣を回収しとけば良かった……とため息をついたヴィスタの顔は怒りを浮かべていた。それが、人間に対してなのか,それとも過去の自分に対してなのかはわからないが、俺たちのような被害者を生み出したことに後悔しているのはわかった。などと思っていたら
「そもそも、手を加えすぎなんだよ! 今の召喚陣は奇跡的に完成したような物じゃんか! 召喚者の魂を僕の前に一時的に召喚して意思を聞く事を間に挟んでいたのにそのシステムを無くしてかつ能力は付与させられるし! その代わりに召喚を実行した者は大体の確率で死ぬし! そのせいで帰すことも出来なくなってるし! そもそも神に祝福された種族って何さ! 神の不祥事の後始末を頼んだのは悪かったけど別に祝福してないしっ!! なのに下手に寄代がない状態で手を出せばそれもそれで問題だしさぁ! はぁ…………はぁ…………すぅ……はぁ…………す~ぅは~ぁ」
ヴィスタは怒濤の勢いで人間に対する愚痴を叫びまくった。そして、落ち着く為に暴れてくると言うや否や森に飛び込んでしまった。
「…………ヴィスタも何だかんだストレスが溜まってたのかな?」
「そうなのかもしれないわ。神様らしくフリーダムに生きているなら、私たちに謝るなんてしないでしょ」
そんなヴィスタの様子に僕たちは何とも言えない表情になった。ヴィスタ自身は押さえ込もうとしていたが、後悔や反省,怒りなど様々な感情が漏れ出ていた。自分勝手な振る舞いをしていたのは、この世界の人間であって彼女ではなかったのに自分を責めているのだ。
「取り敢えず、追いかけようか。そんで言ってやろう」
「そうね」
顔を見合せ頷いた俺たちはヴィスタを追いかけた。幸い(?)彼女が暴れていると思われる場所では、爆発音が響き渡っている。そのお陰と言ってしまうとあれだが直ぐに追い付いた。
「…………暫くは放っておいて欲しかったんだけど」
ヴィスタは、俺たちを見ると顔をしかめそっぽを向いた。その姿に苦笑いをし
「「貴女(お前)は悪くない」」
と言ってやった。ヴィスタはこちらを見ながらキョトンとし、次の瞬間には顔を赤く染めて反論した。
「そ……そんなことない! 僕……私が陣をそのままにしていたからこんなことになった!!」
「違う! ヴィスタも言っていたが、改悪したのは人間だ」
「気に病むなとは言わないわ……けど貴女が悪いだなんて私たちは思っていないの。それだけはわかって欲しい……」
異世界に無理矢理召喚された。俺はそのまま殺されかけた。それでも俺は……俺たちはこの世界に来たことで得たモノがあった。だからこそ……俺たちはこう言うのだ
「この世界に無理矢理連れてこられた様なものだったけど、俺はこの世界での生活を意外にも気に入っている」
「確かに私は、黒を持った者としてすぐさま掌を返された。けれど、良い出会いもあったのよ……だからね」
「「ありがとう」」
「………………バカなことを言うな。僕が地球とやらへ、お前らを帰してやるからな」
頬を朱く染めた彼女は、少し微笑みを浮かべていた
こんなのだけど、最終回ではないからね?
次回からはすっかりこの雰囲気をぶち壊していくので!




