魔族の助け
魔法を使おうとして二時間ほどたったが、自分の魔力というものが未だにわかっていない。小説や漫画では主人公があっさりと自分の魔力というものを見つけるが、現実はそうもいかないようだ。体に違和感やぼんやりとした暖かさもないし、ライターの火をイメージして火種と呟くも全く炎は出ない。得意属性的なものがあるのかと思い他の魔法を使おうとするも不発。そろそろ挫けそうになってきた。
「ゲームしたい。連続ログイン更新したい。もとの世界でのんびりしたい…………何より腹減った」
何故に転生,転移系主人公たちはあそこまで異世界へ馴染めるのか…………現代っ子かつ若干ネット依存の俺にはこの生活は無理そうです。現実逃避でしかないのはわかっていてもやはりそんな事を考えてしまうのであったマル
「…………ふざけてる場合じゃないんだった。生き残るためにも真面目に頑張らねば」
とか言いつつ一時間が過ぎるも進展なし。そろそろ罠でも作ってみるかと考えながら洞窟から出ると、何かが近付いて来ているような気がした。
(気配察知的なスキルでも取得たか? ……嫌な感じはしないしここに身を隠しとくか? 逃げた方が良いか?)
なんて考えてたらバサバサと羽ばたく音が聞こえてきた。音のする方向を見ると空に人影が見える。
(………………人影!?)
パニックになり逃げようとするが足がもつれて転んでしまう。その間にも翼の音が大きくなり女性が目の前に降り立った。
コウモリのような翼の生えた女性。明るい朱い髪に凛とした顔,整ったプロポーションに目を奪われたが、防具や剣を持っているのに気付いて直ぐに逃げようとする…………が腰が抜けてうまく立てずにまた転んでしまう。
(…………殺されるなら痛くないようにお願いします!)
訳もわからず召喚されて24時間もたたないうちに死を悟った俺は、目を瞑り動くことを止めた。痛みは短い方がいいからだ。しかし、女性は全く攻撃してこない。
「大丈夫よ。貴方に攻撃なんてしないから。落ち着いて深呼吸しましょう」
そう言われて、振り替えると綺麗な顔がドアップで映り顔が赤くなっていくのがわかった。お陰で瞳が黒だと直ぐにわかり彼女が魔族だと判断できたが、これは心臓に悪い。日本でも女の子の友達はいたし、かわいい子や綺麗な顔立ちの子もいたが、この女性は格が違う。はっきり言って落ち着くことなんて出来ない。目が泳ぎまくっている……ちょっと酔ったかも
「……落ち着いた? 安心して,大丈夫だから。私はエリーナ・ガーディ。私は貴方の味方よ」
そう言って微笑んだガーディは綺麗というよりも可愛らしく、またドキッとさせられた。だが、彼女は凛とした顔に戻し質問をしてきた。
「言いたくなければ答えなくてもいいから落ち着いて聞いて。まず、貴方はこの世界に召喚された異世界の人間で間違いはない?」
「……はい。その通りです。召喚されて早々に殺されかけましたけどね」
ガーディが魔族とわかったため、直ぐに殺されることはないと考えた俺は質問に答えることにした…………ぶっちゃけると逃げようとしても直ぐに殺されそうだし、美女に殺されるなら……ね? 男ならわかってくれると信じてる。という訳で素直に質問に答えること5分程。ガーディは、俺が無害であり魔族領で保護する必要があると判断したのか、魔族領まで連れていくと約束してくれた。
「そう言えば、ガーディはどうして俺が召喚された人間だってわかったの?」
「エリーと呼んで貰えるかしら? 周りはエリーって呼んでるから。あと、質問の答えなんだけど、異世界人を召喚した時特有の空間の歪みを感知して、貴方のコントロールされてない魔力を辿って此処に来たからわかっただけよ」
「…………え? 俺に魔力ってあるの?」
ガーディ……エリーの言葉からすると、俺にも魔力はあるということになる。自分では感知出来ないけど。
「えぇ……かなりの魔力量よ。知りたければ、この世界の常識のついでに魔法も教えてあげる」
「本当!? ありがとう,エリー!!」
安全と共に魔法を学ぶチャンスもゲットーー!
頑張っるぞーーおーーー!!!!
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