憑依
前話で文章の追加をしています。まだ読んでいない読者様は、先に前話の『決意と旅立ち』を読んでからこちらをお読みください。
翠と旅にでて一週間ほどが過ぎた。馬車も使わぬぶらり旅をしている俺たちは今……訂正。俺は今鬼に殺されかけている。
「アッハッハッハッハァ! まぁだまだあるよ!」
「嘘だろおまっ! うおっ掠った! 掠ったから! マジで止めろやめてやめてください!」
「断る!」
何故こうなったのか? えぇっとですねぇ…………二時間ほど前まで時を遡るとしようか
* * *
切っ掛けは俺がアニカのユニークスキルを知ったからだ。アニカのユニークスキルは簡単に言えば異常なまでの魔法の才能だ。基本的に知識を手に入れれば使えてしまう。簡単な魔法はイメージが明確なら俺でも使えるが、アニカは余程特殊でない限りは、何となくで使えたらしい。魔方陣が必要な召喚系統等は少し練習が必要だと言っていたが。それを知った俺が言った一言が問題だった。
「降霊系統の儀式をやってみないか?」
俺が言ってアニカは乗った。それはもうノリノリ。アニカは自分に憑依させると言って実行した。そして乗っ取られた……それはもうアッサリと。
「久しぶりの肉体だぁ! 暴れるぞぉ!!」
俺に憑依させれば、術者であるアニカが制御出来たのだろうが実際には術者本人に憑依させてるため出来ない。レイスだったアニカ程の威力は無いが、魔力にモノ言わせて魔法を放っているため数が多い。儀式に使った祭壇を破壊しようと何度も試みるが防がれる。それと、降霊術は普通,降ろす霊が決まっている。しかし、俺たちは対象を決めていない。つまり、アニカの魔力につられた悪霊がやって来ても不思議ではない。実際にやって来たし
「いい加減……翠から離れやがれ!」
「断る!」
魔法を放って防がれて、魔法が放たれ逃げ回る。そんなことを繰り返して今に至る。……また攻撃が掠ったと思っていたらアニカの攻撃が急に止んだ。デカい魔法が来るのかと警戒していると…………
「うん! 満足満足。楽しかったぁ。じゃあまたね」
と言った途端にアニカの体から力が抜けて倒れこんでしまった
「…………………………は?」
意味がわからない。理解不能……ってネタ所じゃない
「アニカ! 大丈夫か!?」
慌てて駆け寄ると、アニカは勢いよく起き上がった
「びっくりした! ごめんタクマ……心配かけたよね」
「うん……まぁ。でも悪いのってどちらかと言えば馬鹿な提案した俺だしね。謝るのは俺の方だよ」
事実、俺の提案がなければ憑依による事故は起きなかった。アニカに憑依した何者かが自分から出て行かなければ、アニカに何かしらの後遺症が残ってもおかしくはなかったのだから、今回の責任は俺にある。
「違和感とかないか? 勝手に身体を使われてたんだし」
「そこら辺の問題はないかな? 無理な動きも魔力の使い方もしてなかったみたいだし。なんと言うか……ある程度セーブしてくれてたみたい」
…………あれで? でも、思い返せば魔法は数が多かっただけで威力はそこそこでしかなかった。あれはアニカの身体を上手く扱えなかったからではなく、アニカを必要以上に消耗させないための手加減……と言うことだったのかもしれない。
「あと……私が降ろしたのは神様? だったみたい。神様曰く、神降ろしと降霊術は似た部分があるから」
アニカからの爆弾発言に少し思考が停止した。
「『君たちと一緒にいると退屈しなさそうだし、丁度良さそうな寄代が見つかるまで取り憑いてるね。寄代が見つかったら質問を受け付けるから頑張って見つけてね!』だって」
いろいろと言いたい事がありすぎる…………どうしてこうなったのかなぁ! 本当にさぁ!
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