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召喚されたら魔族と言われた  作者: 水島 香
俺の成したい事のため
28/41

決意と旅立ち

第三章のプロローグ的なやつです



文章の追加をしました





 翠ことアニカと出会い約二ヶ月。この二ヶ月で、アニカはギルドからそこそこの信頼を得ることができた。理由としては、単純に依頼を頑張ってこなしたからである。

 依頼は、アニカの封印されていた廃城の近辺の村や町で、魔物が暴れている為,どうにかしてくれと言う物で…………ぶっちゃけると心当たりが有りすぎたのだ。なので、俺とアニカは魔物をさっさと殲滅することに決めた。そうして、依頼を完遂した頃には……うん。信頼関係を築けたのはいいけど、どう考えてもこれってあれなんだよね……マッチポンプ。


閑話休題(それはそれとして)


「アニカ……ちょいっといいか? 魔物討伐の依頼も完遂したし,そろそろこの町……出来れば国から出たいんだけど、どうする? ついてくるか?」


 この質問にアニカは着いていくと即答。ぶっちゃけるとこれは予想していた。問題はいつ出国するか……だ。お世話になった人達に挨拶してから出たいし、俺が向かいたいと思っている国をアニカがどう思うかも気になる。


「いきなり出るのもなんだから、一週間……いえ,二週間後に出るのはどうかしら? タクマなら出る前に挨拶くらいはしておきたいんでしょ?」


 私もそうだしね……と続けたアニカに思わず苦笑いを浮かべてしまった。俺の性格をこの短期間で、大方把握されてしまったらしい。


「なら二週間後にするか。あと、いきたい国とかってあるか?」


「ないからお任せね。それと、今の時代に思うところなんて特には無いから気を使わなくても良いからね?」


 これもバレていたようだ……まさか俺の方が気を使われてしまうなんて


「悪いな。それなら俺は魔導研究,学問に特化した国……リヨネティに行きたい……未練がましいとは思っているけど、俺は元の世界に帰りたいから」


 リヨネティ帝国はあらゆる分野の専門家が集まっていると言っても過言ではない……と言われるほどに,研究に特化した国と聞いたことがある。この国ならば、僅かであっても帰る為のヒントが見つかる可能性がある。


「……うん。いいと思うよ! 正直に言えば私も帰りたいし。とか言っても……まぁ、今さら地球の文化に私が馴染めるかはわからないけどね」


 アニカの言葉に、俺は息が詰まったのを感じた。それについては、俺も考えていたからだ。この世界では命なんて軽い。けれど地球……特に日本はそんなことはない。召喚されたばかりの頃は、動物の死体を見るだけで気分が悪くなってしまった。しかし、今では自分で動物の解体までできる。人の死体を見たのも一度や二度なんて物ではない。この世界での日常は地球での非日常……この世界での常識は地球での非常識なのだ。地球に戻ったら俺たちはどうしても異常性を垣間見せる事になるだろう。意識していれば誤魔化せられるかもしれない……しかし、意識しなければならないのは異常だ。


「それでも俺は帰りたいし、馴染んでみせるさ」


 それに、やりたいことはもう一つある。帰還出来ずともこれはやって見せる……この世界に召喚される人を,犠牲者をもう産み出さないために、異世界召喚の技術は消し去って見せる





      *      *      *





 旅に出ることを決めた俺たちは、今までこの街でお世話になった人達へ挨拶をして回った。出国前に軽く依頼を受けたり、冒険者風のお別れの儀式をしたり、翠に訓練をつけてもらったり、旅の準備をしたりとそこそこ忙しい二週間を過ごした。特に疲れたのは冒険者風のお別れの儀式……知り合いがこぞって模擬戦を仕掛けてくるのだ。大抵が一対一だが,たまにパーティーで仕掛けてくることもあった。翠のサポートのお陰で皆蹴散らしたが疲れた。特にベテラン冒険者が酷い。手加減をしてくれていたから勝てたが、ズタボロにされた。


「あ~痛い…………先輩達ももう少し手を抜いて欲しかった。明日には出るって言うのにさぁ」


「そんな事言って、タクマも楽しかったんでしょ? それに嬉しそうだったじゃない」


「そりゃあ……まぁね? これってこの街の冒険者達にも親しみを感じて貰えてた証でもあるわけだし……ねぇ?」


 痛いのは嫌だが、いろんな人達が俺を認めてくれていた……それがハッキリとわかる形で現れたのだから嬉しい気持ちもある。それに、自分の気持ちを乗せて戦ったんだから楽しくないわけがない。


「戦いの中で気持ちをぶつけ合う……この世界に染まった感じがするけども楽しかったから仕方がない……うん」


 アニカも俺の言葉に共感しながらも苦笑いを浮かべていた。日本に戻って馴染めるかが今更ながらに不安になってくる……いや馴染んでみせるけども


「……今考えてもどうしようもないし、訓練してくるよ」


 こう言う時には訓練だ……現実逃避とは言ってはならぬよ





      *      *      *





 怪我と疲れを癒す為に残りの二日間はゆっくりと過ごした。勿論アニカに訓練をつけてもらったが、基本は何もしなかった。


「よし! 行きますか」


「そうね……行きましょうか」


 目的地はリヨネティ。急ぐ旅ではないので寄り道あり!


「善き出会いが待っていますように」


「これが小説なら刺激的かつ数多の事件に巡り会えるでしょうね」


「異世界召喚の時点でフィクションっぽいけどな……」


 俺は切実に平和な旅を望むよ……





50話前後で終わらせようと思っているけど、今のままではビミョーな終わりになりそうで怖い……

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