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召喚されたら魔族と言われた  作者: 水島 香
人の国
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達成報告とギルド登録

やっとここまできたぁ!五話以内で終わらせるつもりだった翠の話に一区切りだ!





 何かを振るような音……否,風を斬る音がして目が覚めた。咄嗟に武器に手を伸ばしたが、音の発生源が翠だと認識し静かに息を吐く。空を見ると、丁度太陽が顔を覗かせようとしていた。


 もう一度翠の鍛練を見る…………剣をゆっくりと振り下ろし、斜めに切り上げる。一つ一つを丁寧に……型を確認するかのように。一つの型を何秒も使いながらやっと終わらせる。そして速度を少し上げて同じ型を繰り返す。終えたらまた速度を上げて繰り返す………………そして遂には空気を切り裂く程の速度になった。


「ほぉ……」


 と翠の鍛練に見惚れているとふと思い出した。昨日の見張りを交代するときの事だ。確か、翠はこういっていたはず


「周囲の警戒は任せて,安心して休んでなさい………………起きてる間は鍛練でもしてようかしら?」


 と。最後の呟きに突っ込みを入れたかったから覚えてる。翠をよく見ると凄い量の汗を流しているようだ。合間に休憩は入れているのだろうが、マジで俺が起きるまで鍛練をしていたようだ。俺がその事実に戦慄していると、翠の鍛練も一段落ついたようで此方に顔を向けた。


「おはようタクマ。ちょっと前に起きたみたいだけどもしかして起こしちゃった?」


 俺が起きていたのに気付いていたようだ。周囲の警戒も確りとやっていたようだ。俺は挨拶を返して、質問に答えた


「別に翠が原因って訳ではないけど…………あの……もしかしてだけどさ……ずっと鍛練をしてたの?」


 俺の質問に翠は「ええ」と返した。流石に休憩は挟んでいたようだが、あっさりと肯定されると頭を抱えたくなる。


「良い感じに勘を取り戻してきたし、思ったよりも早く魔法の補助なしでも動けるようになるかもね」


「……出来るだけ早めに廃城(ここ)を出てギルドに隠し事満載の依頼達成報告をしなくちゃならないのだけど……大丈夫そう? 疲れてない?」


 純粋な疑問をぶつけると、翠は笑いながら大丈夫だと言った。彼女曰く、体力,筋力は衰えていたが魔力は全くだったとのことで、半日程ならぶっ通しで鍛練を続けられるという。流石戦争を体験した(元が付くが)勇者…………一年ちょっとしかこの世界にいない俺とはレベルが違う。


「なら森で食料を調達しながら町に行くか…………いきなり誰かに会遭遇しても良いように、もうここで色を変化させとくぞ」


「当たり前ね…………あ! そう言えば、町に着いたら私のことはアニカって呼んでね」


 俺は突然の偽名に困惑した…………しかし、よく考えれば当然の事だ。翠と名乗ることで、元勇者と何らかの関係があると怪しまれる可能性は極僅かであろうとあるのだから。


「それはいいけど……なんでアニカ?」


「アニカって名前はね……えっと…………母の名前なのよ。別にマザコンではないからね。ヘタな偽名よりも馴染みがあって直ぐに反応できるからよ? これは新しく作るギルドカードにも登録するから忘れないでね」


 怒濤の口撃で突っ込みのタイミングを逃してしまった……と言うか牽制されてしまった


「オッケー。ならそろそろ出発しようか……アニカ」


「ええ! 行きましょう!!」





      *      *      *





「…………ふぅん。ここがタクマの住んでる町か」


 俺の隣で金髪の女性が呟く。彼女は勿論翠……否,アニカだ。ちなみに、今の俺は白髪(白髪ではない!)の青い瞳だ。アニカの検問は以外にもアッサリと通った。俺の保証があったから……て言うのもあると思うけど何か納得いかなかった。


「アニカ,先にギルドに行くぞ」


 キョロキョロと周りを見渡す彼女の腕を引っ張りギルドに連れていく。封印される前とは、色々と違いがあって気になっているようだが身分証(ギルドカード)を作るのが先だ。




 ギルドに着くと俺は早速受付に依頼完了の報告をした。日帰りになったことと、ボロボロの服を見て心配してくれた受付嬢さんを見て嬉しさを覚えつつ、(嘘,誤魔化しや真実を一部隠して)レイスについて報告をした。


「……つまり、レイスは元勇者様であったと言うことですね? 戦いの余波で封印は壊れたものの、元勇者様は息を引き取っていた為にこれ以上の問題はないと判断された……と」


「はい。それと、この女性……アニカの助力もあり,今回の依頼を達成することができました。信頼できる人なのでギルドカードを作っていただきたいと思っているのですが……」


 冒険者ギルドは、基本的に犯罪者でなければ誰でも登録出来るため問題はないと思っているが、一応の保険として信頼できる人アピールをしておく。


「登録には問題はないのですが、今回の依頼を受けたのはタクマさんだけなので、アニカさんには報酬は出ませんよ?」


「そこは問題ありません。自分が勝手に三割程渡しますので」


 俺がそう言ったとたんに、聞きに徹していたアニカがそんなに貰って良いのかと声を上げた


「当たり前だ…………そもそも、お前は現代の通貨は持ってないだろうが」


 後半を小声で伝えたら、彼女はしぶしぶながら受け取ってくれた……しかし、近い内に全額返済すると宣言してきた。


 アッサリとギルドに登録できたため、アニカに町を案内して今日は終わった。


「アニカ……ちなみにだけど、俺は明日一日まるまる休むから。もしギルドで依頼を受けるなら声をかけてくれ……」


 流石に疲れたからな。と続け別れる…………当たり前だが宿の部屋は別なのだ。期待していた奴らすまんな








第二章がそろそろ終わります……やっとね

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