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召喚されたら魔族と言われた  作者: 水島 香
人の国
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堕ちた勇者(7)

やっとここまできたぁ!





 目を覚ますと廃城……(天井があったと思われる)空は星に溢れ,気持ちのいいそよ風が頬を撫でる。覚醒仕切らない頭で,何があったのかを思い出そうとし……全身が痛みを訴えた。


「〜〜〜〜〜〜!? お……もい…………だした」


 そうだった。俺は正気を失った翠と戦って……じゃなかった。サンドバッグになって気を失ったんだ。


「そうだ! 翠はっ!!」


 翠を探そうと思わず身体を動かし激痛が走った。


『あ! 起きたのねタクマ! よかったぁ』


 声がした方へ顔を向ける(流石に学習した)と、そこには安堵の表情で微笑む翠がいた。


『あまり動かない方がいいわよ…………元凶が言うのもあれなんだけど……かなりボロボロだったから』


 一応魔法で治療したけど……と申し訳無さそうに翠は呟きごめん,止めてくれてありがとうと続けた。


「気にするな……なんて言わないけどもう謝んないでくれ。その代わり、封印を解いたらパーティーメンバーとして、確りと働いて貰うからな!」


『……ええ…………ええ! 任せなさい。稼ぎまくってタクマを養って上げるから!!』


 翠は涙を拭い、拳で胸を叩きニカッと笑った。とても素晴らしい笑顔で宣言してくれるのは良いのですが、別に養って貰うつもりはないです。

 俺は、たわいのない話をし何とか動けるくらい回復した。そして封印場所(地下)に向かいながら、俺が気絶してからのことを翠に話してもらった。

 大体が予想通りだったが、本能に負けた翠は俺相手に暴れ過ぎて、魔力と破壊衝動が落ち着いたらしい。正気に戻り直ぐに俺の治療をしていたが、俺の体力が予想以上に低下していた為に、死なないレベルまで治療して直ぐに食料を調達しに出かけたとのこと……原因は《超回復》で体力が持ってかれたからだろうなぁ。調達した食料を最低限の調理をしてから俺に食わせたらしい。しかし、俺の体は直ぐに怪我を治すエネルギーに変えてしまい困ってしまったらしくそこで俺が起きた……らしい。

ちなみに翠は『食べさせる時、窒息しない様に魔法で補助をするのに苦労したよ。予想以上に繊細な魔力操作が必要だった』と言っていた。


「……そうか。大して関係ないけどさ………………最低限の調理ってどんなもん?」


「肉は血抜きをしてから焼いて細かく切ってから食べさせたよ。果物は果汁を搾って飲ませたし……そのくらい? 寄生虫とかの心配は要らないと思うよ」


 切羽詰まっていた割には確りと調理してくれてて安心した。安心した所で封印場所に着いたため、気合いを入れ直す


「それじゃあ…………封印を解きますか!」




      *      *      *




 封印は翠の補助のお陰で思ったよりも苦労することなく終わりを告げた……と言っても、解除に20分程かけてしまったが。


「……翠? おーい…………」


 レイスの翠は封印を解いたら消えていた。恐らく体に戻ったからだと考えているが、翠は目を覚まさない。封印を解いてから既に一分は経過しているが動く気配がないのだ。もしかしたら俺のせいで起きないのかも……と不安が押し寄せて来てパニックに陥りそうになって来たところで翠の指がピクリと動いた。


「翠……起きたのか? 大丈夫か!?」


「……ぇぇ。だ……いじょう…………ぶよ……コホ!」


 翠の声はとても小さく,掠れてしまっていた。恐らく長年封印されていたせいで、体に不具合が生じているのだろう。


「声は出さなくてもいい。質問するから首を動かしてくれ……まずはゆっくりと身体を起こす。大丈夫か?」


 この質問に彼女は小さく頷いた。それを見て、俺は翠の背中に手を添えてゆっくりと起こした。その際に首が後ろに倒れそうだったので、慌てて全身を使い支えることになったが……


「水は飲めるか?」


 この質問にも彼女は頷いた。少しずつ水を飲ませようとしたら彼女は、魔力を全身に回し自ら水を飲み始めた。


「お……おい! 大丈夫なのかよ」


「んぐ……んぐ…………ぷはぁ! 生き返ったぁ。タクマありがとね!やっと元に戻れたわ。いざ封印が解けたら喉はカラカラでお腹もペコペコ……生きてる実感が持てるのはいいけど辛かったわぁ。体も動かし辛いし暫くはリハビリねぇ」


 …………割りと大丈夫そうだった。


「ならもう夜遅いしここで野宿(?)だな。俺も疲れたし、飯を食って寝るか。《身体強化》はまだ使えるだろ?」


「モチロン! 食料はレイスの時の私が確保してたし……早速頂きます!」


 翠はそう言いながら果物を口に運んでいく。何百年振りのご飯なのだから仕方がないのだろうがはしゃぎすぎである。


「……まぁいいか。俺も腹へったし、食べきられる前に確保っと」


 思っていたよりもお腹が空いていたので俺たちは無言でただひたすらに食べることに集中した。




〜翠side〜




「「ごちそうさまでした!!」」


 私が持ってきた食料を食いつくし、更にタクマの持っていた保存食も食いつくしてようやく落ち着いた私たちは、そのまま仰向けに寝っ転がり食料への感謝を口にした。


「あぁ…………おいしかった。久しく感じてなかった味覚が存分に機能してくれましたよ」


「スゲー勢いで食ってたもんなぁ。なのに意地汚さを感じさせないとかどうなってんのさ」


「はっはっは……そこはほらレディとしてのねぇ?」


「「……ぷふ……あはは…………あはははは!」」


 ついつい二人して笑い出してしまった……普段ならどうってことないないであろう会話でさえも何故か嬉しい


(私は生きてる……生きているんだ!)


 ようやくそれを実感することができたからなのかもしれない。本当に………………生きているって素晴らしい!





〜翠side out〜




 

〆が適当だって?気にしない!だってやっとここまで来たんだからね!…………拓真君たちが勝手に動きまくってねぇ

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