2019年 謹賀新年ご挨拶
2019年 新年ご挨拶。
櫻真「皆様、明けましておめでとうございます。今年は鬼絵巻を代表して、挨拶させて頂きます」
桜鬼「年明けの挨拶とは、いつの年の良いものじゃのう」
櫻真「せやな。まだ第一章やけど、これからどんどん鬼絵巻を盛り上げて行けるように頑張ろうな?」
桜鬼「うむ! 妾と櫻真が頑張るのじゃ、盛り上がるに決まっておろう? ところで、櫻真! 新年の行事で書き初めというものがあるじゃろ?」
櫻真「あるな。俺も小学校四年生くらいまで、やっとったかな?」
桜鬼「ほう、流石は櫻真じゃ! では、何故書き初めをやるようになったのか、存じておるかえ?」
櫻真「んー、分からん。俺が知っとるのは、左義長の時に書き初めを燃やすと、字が上達するんやろ?」
桜鬼「実は、書き初めとは元々、宮中で行われておっての。若水で摺った墨で、詩歌を恵方に向かって書くのじゃ。庶民に広まったのは江戸時代。書初という言葉を初出したのは、ここ京都の活動した、雛屋立圃という俳人じゃ」
櫻真「へぇー、そうなんや。桜鬼は物知りやな」
桜鬼「いつもは櫻真たちに知識を与えられてばかりおるからの、たまには良いであろう?」
櫻真「ええな。むしろ、歴史の事は桜鬼の方が詳しいやろうし。桜鬼たちから聞いたら、歴史の裏話が聞けそうやな?」
桜鬼「ふふふ。そうじゃ! その通り! あれやこれやと知っておるぞ! ただ、契約してない間の記憶は途切れておるがのう」
櫻真「……んー、虫食い的な歴史書になりそうなやなぁ(でも、変に聞いたら、授業の内容が頭に入らんようになりそう)」
桜鬼「話は戻すが、正月ならば初詣には行くじゃろ?」
櫻真「行くよ。何で?」
桜鬼「もう祈願する内容は決めておるのかえ?」
櫻真「んー、やっぱり学校の事とか、あとは舞台の事とかな?」
桜鬼「櫻真、なっておらぬ! なっておらぬぞ!」
櫻真「えっ、何で? 何か俺、変な事言うた?」
桜鬼「櫻真が一番に祈願するべきことは、鬼絵巻の繁栄じゃ!」
櫻真「ああ! そや! それをちゃんと祈願せんと!」
桜鬼「神社に行く前に、櫻真が気付いて一安心じゃ。これで妾も同じく祈願すれば、ばっちりじゃの」
蓮条「……少し前から聞いとったんやけど、願い事って口裏を合わせるものなん? 効かなくなりそうやない?」
櫻真・桜鬼(はっ……言われてみれば……)
鬼兎火「櫻真君と桜鬼は、うっかり者同士なのね……。これは先が思いやられるわ」
蓮条「せやな。櫻真たちがこの調子やったら、俺らが先導した方が安定しそうやない?」
鬼兎火「そうねぇ……」
桜鬼「駄目じゃ! そんなの誰も求めておらぬ!」
櫻真「そうや! 幾ら同じ顔でもそんなんあかんわ!」
浅葱「むしろ、もう櫻真たちの問題は後回しにして、僕と桜子の恋物語にせえへん?」
櫻真「せんわ! そんなん誰得にもならんわ!」
蓮条「そや! サブのサブで新年の挨拶に出てこんといて!」
桔梗「しゃーないよ。浅葱さんは空気なんて読みはらんから。諦めはった方が利口やで?」
浅葱「とか言って、桔梗……君もしっかりちゃっかり出て来はっとるやん?」
桔梗「ん? 何か言わはりました?」
浅葱「この白々しさが腹立つわ!」
櫻真「もう、二人のやり取りはええから……とりあえず、俺はこの鬼絵巻が盛り上がるように頑張るから」
桜鬼「そうじゃ! 櫻真! その意気込みがあれば必ず、成功するはずじゃ」
櫻真「せやな。それじゃあ、改めまして、今年も鬼絵巻を宜しくお願いします」
菖蒲(あかん。入るタイミングを失ってしもうた……)
葵「ふふ。浅葱の言葉は当たらずといえども遠からずね」
鬼絵巻の新年挨拶は、櫻真の決意を胸に幕を閉じた。




