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晴れた日は、小鳥もさえずる  作者: ぼたん鍋
第3章:自分のことを考えるってことは、相手のことを見ようとするってことなんだ
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閑話⑤恋は盲目


 我ながら、すごく恥ずかしいことをしてしまった。


 立食のリサーチをするつもりだったのに

 気持ちを抑えきれずに、思いの丈をぶちまけてしまった。

 今思い返しても、人がいる前であんなことをするなんて

 穴があったら入りたいとは、こんなときに使う言葉のはずだ。


 でも、言ってよかったと思う。

 伝えたからこそ、彼女の気持ちを動かすことができたように思う。

 好きだと、その言葉を聞くことはできなかったけど

 それでも、ひとまずは時間を手にすることができた。

 

 恋は人をダメにする。

 恋は人を盲目にする。

 そんな言葉の通り、おれはまさに、恋よっていろいろと狂わされていた。

 それでも、狂ったことも、たまにはいいのかもしれない。

 狂っているからこそ、あんな恥ずかしいことを堂々でやってのけるのだから。


 ベッドに横たわり、枕に向かって声にならない叫びを浴びせる。

 こうでもしないと、あまりの恥ずかしさに、どうにかなってしまいそうだった。


 彼女ために、おれにはなにができるだろうか。

 彼女が秘めた問題は、つまるところ彼女にしか解決することができないものだ。

 どんなに手を差し伸べても、最後は彼女が手を掴まなければならない。

 

 それでも、おれだって、この数週間で随分と変わった。

 正確には、変わったというよりも、気付いたという方が正しいかもしれない。

 彼女のことが好きだと気付いた。

 本当の自分について気付いた。

 意識について気付いた。


 たったそれだけのことなのに、見えなくなっているときは

 すべてが見えなくなってしまうのだから、人は本当に恐ろしい。

 見えなくなってるよ、なんて言われても、それは本人の意識を変革できるアドバイス足り得ない。

 それなら、いつもそばに寄り添って

 見えたときに、「よかったね」って言葉をかける方が、余程意味がある。


 今頃、彼女も考えているのかもしれない。

 自分のこと。

 恋のこと。

 好きという気持ちのこと。

 もしかしたら、おれのことを考えてくれているのかもしれない。

 

 誰かに想われているということが、どれだけ幸せなことか。

 どれだけ嬉しいことなのか。

 そのことに彼女が気付くためには、おれが彼女のことを想い続けてあげればいい。

 それは、おれにしかできないことだ。

 一寸の狂いなく、そこにいる、自分という人間の意志の行動なのだ。


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