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晴れた日は、小鳥もさえずる  作者: ぼたん鍋
第3章:自分のことを考えるってことは、相手のことを見ようとするってことなんだ
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4月22日の芽吹き(2)


 お昼ご飯のために入ったお店は、思ったよりも混雑していて

 ゆっくり話ができるような雰囲気ではなかった。

 中原さんもどこか落ち着きがなく、せっかく調べたおいしいパスタの味は

 残念ながらさっぱりわからなかった。


 お店を出て、そのままの足で街を歩き始める。

 結局、パスタのお店では何も話すことはできなかったが

 まだ今日は始まったばかりだ。


「それじゃあ、まずはここに行こうか」

「えっと、ああ。そこは結構おいしいって評判だよね」


 この日のために用意した雑誌を見ながら

 ゆっくりと目的のお店を目指して歩き続ける。

 ここからはそんなに距離が離れているわけではないので

 歩いて10分もしないうちに着けるはずだ。


「……」


 それにしても、今日はなんだが、中原さんの様子が少しおかしい。

 いつもは周りに気を遣うように、遠慮がちに歩く姿が印象的だったが

 今日は一歩下がった位置から距離を保ってついてきている。


 おれは何かしてしまっただろうかと不安になりつつも

 特に心当たりがないため、なにもすることができず

 ただ歩き続けるしかなかった。


――――


 その後も、リサーチのために3件ほど店を周ったが

 中原さんがいつもの様子に戻ることはなかった。

 

 今日の為にと、いろいろと話題を用意していたのだが

 いくつか雑談を振っても、あまり話題は弾まない。

 最後のお店を出たところで、さすがに気になって、直接聞いてみることにした。


「あの、中原さん?」

「ん? どうしたの?」

「なんか、今日は元気がないように見えるんだけど

 もしかして、なにかあった?」


 なるべく当たり障りがないように質問したつもりだったが

 思っていたよりもストレートな聞き方になってしまった。


「え? ううん。そんなことないよ

 いつも通り。特に変わらないよ」

「そう? それならいいんだけど」


 乙女心と秋の空? だったか。

 女の子というのは、なかなか難しいものらしい。

 いつも通りと言われてしまうと、それ以上しつこく聞くこともできず

 なんとなく納得がいかないまま、目的のお店まで黙って歩き続けた。


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