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晴れた日は、小鳥もさえずる  作者: ぼたん鍋
第3章:自分のことを考えるってことは、相手のことを見ようとするってことなんだ
20/31

4月22日の芽吹き(1)


 集合場所は、学校から2駅離れた、この辺りでは一番大きなターミナル駅にした。

 午前11時。お昼時、混み合う前の時間帯。

 この時間なら、きっと彼女もお腹を空かせてくる。

 そうすれば、自然とどんなお店にも入ることもできるだろう。


 一応、昨日の内にいくつか目ぼしい店をピックアップしておいた。

 どこもデートスポットになっているような

 おしゃれなカフェレストランだった。

 

 もちろん、立食のためのお店もいくつかリサーチしてある。

 そこにはお昼を食べた後に向かう予定だった。


 時刻は10時50分。

 電車で来るならそろそろこの駅に着くはずだ。

 早く会いたい。そんな気持ちを抑えつつ、改札を出てくる人の中から

 中原さんの顔を探す。

 自分がこんなにも誰かのことを想うことになるとは

 入学式のときには、思いもしなかった。


「あっ、中原さん!」


 改札から出てきた中原さんをすぐに見つけ、小さめに手を振って合図する。

 今日は学校ではないため、おれも中原さんも私服姿だった。


「お待たせ。ちょっと遅れちゃったかな?」

「いや、そんなことないよ」


 実際、約束の時間まではまだ少し余裕があった。

 待たせるといけないと思い、おれは少し早めに家を出たが

 かえって気を遣わせてしまったかもしれない。


 私服姿の中原さんは、制服のときよりも更に小動物のように見えた。

 あまり見過ぎるのは良くないと思いつつ、自然と目は中原さんを追いかけてしまう。


「変、かな?」

「え? いやいや。そんなことないよ。

 すごく、かわいいと思う」

「そうかな……。ありがとう」


 思わず顔が紅潮してしまうような、恥ずかしい言葉が口から出てしまい

 言った後で、自分でも驚いた。

 白いワンピース姿の中原さんも、対比するように顔が赤くなっているような気がした。


「それじゃあ、とりあえず、行こうか」

「うん」


 自分でも緊張しているのがわかるくらい、手にびっしりと汗をかいていた。

 それでも、おれはなけなしの勇気を振り絞って、彼女と一緒に歩き出した。


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