表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴れた日は、小鳥もさえずる  作者: ぼたん鍋
第2章:結局考えることは似通っている
16/31

4月18日の宵闇


 昨日とは打って変わって

 今夜は月が出ていない。

 民家の光が消えた通りには、底なしの闇が広がっている。


 今日は、昨日委員会室で東山先生に言われたことをずっと考えていた。

 相手のことがわからないとき。

 相手のことがわかるとき。

 その違いは、誰が考えても明確だ。

 

 そこに、先生はどんな違いを見出しているのだろうか。

 きっと、おれとは違う視点から

 物事を見ているのだろう。


 それはおそらく、中原さんにも同じことが言える。

 なんとなく、おれと彼女は似ていると思っていた。

 意志がないところ。

 常に相手の様子をうかがっているところ。

 自分を主張しないところ。


 でも、それはたぶん似ているようで

 全然違うものなのだ。

 彼女の表面ばかりを見て

 本当の彼女が見えていなかったのかもしれない。

 いや、見ようとしていなかったのだ。

 勝手に彼女のことを分かった気になって

 勝手に彼女のことを似ていると思い込んでいた。

 

 窓の外を見ても、月明かりはない。

 不気味なくらいの闇が広がっている。

 昔、夜に外へ出るのが楽しかった時期がある。

 こことは違い、都内の夜は煌びやかで

 昼にはなかった賑わいが、そこには広がっていた。


 鮮やかなネオンの光は、まだ小さかったおれの目には

 最も近い異国のような存在で

 見る度にワクワクしていた。

 

 でも、ここは違う。

 どこまで行っても闇。

 そこに、人の賑わいは存在しない。

 ワクワクするような光もなく

 ただ、永遠に続いているような気がする道が

 遠い先まで伸びている。

 

 明日はいよいよ、歓迎会の企画をまとめることになっている。

 準備はできている。

 一応、精一杯のことは考えたつもりだ。

 結局のところ出たとこ勝負になるかもしれない。

 それでも、少し面倒くさいことになるかもしれないけど

 明日は、ちゃんと中原さんと話してみようと思っている。


 部屋の電気を消して、カーテンを閉める。

 さっきよりも外の闇が薄れて見えたのは

 きっと宵闇に目が慣れただけなんだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ