二
ふあぁぁ。
暇だ。俺、翡翠遥はとても暇だ。
何が暇なのかというと、授業だ。
別に授業の内容がわかりすぎて、(ふっ、簡単すぎる。こんな事を今更習ったところで何になるというのだ)とか思ってないから!!
ちなみに今は数学。
数学教師が黒板に意味不明なことを書いている。
(せめて日本語で書いてくれよ。)※日本語です。
俺の成績は学年で中の中か中の下くらいと思う......そう思いたい。
てなわけで、わからなすぎて暇だからあくびばっかりしている。
すると、
「おい、翡翠!!さっきからあくびばかりしているがちゃんと聞いているのか?」
数学教師が気づいたようだが、寝るよりはましだろうと思う。
俺の後ろに寝ているやつが居るんだが......
こいつだけ何も言われないのは少しムカつくので、
「せんせー、渡辺君寝てまーす」
と言うとクラス中で笑いがおきる。
そして数学教師がため息をつき、
「はぁ、渡辺!!ねるな!!」
「ふぇっっ」
渡辺は飛び起きて変な声をだす。
皆笑っている。
でも、一人だけ笑っていなくてこちらを気にした様子もなく外をみている少女がいた。
墨染優葉だ。
入学して3ヶ月。
彼女が笑った顔をみたことがない。
彼女はこちらに興味をしめさない。
クラスの人話している所も見たことないしいつも一人でいる。
可愛い顔をと思うけどなぁ笑ったらもっと......
って俺は何言ってるんだ!!
別に今のはそういう意味じゃなくて、えっと、あの、その、どういう意味だ?
あぁぁぁぁ!!自分でもわからん!!
いや、今のはあれだ!!
異性としてしゃなくてだなぁ。
ただ、単純にかわいいと思っただけだ。
よし、そう言う事にしよう。
そんなことを考えているといつの間にか授業は終わった。
―――ガヤガヤ
休み時間。と言っても授業が終わった後の10分休みだ。
たった10分だが、とても騒がしくなる。
なんて思っていると
「おい、翡翠!!酷いじゃないか友だちを売るなんて!!」
「えっ?友だち?」
「えっ(泣)」
「冗談だって」
渡辺が話しかけてきた。
渡辺とは高校に入って会ったが、好きなゲームが一緒で気があったため仲良くなった。
渡辺は明るくてとてもいいやつだ。
席も俺の後ろでよく話す。
「でさでさ、そのゲームが」
なんて話しているとチャイムが鳴ってしまった。
「また後ではなすわ」
「おう!!」
と言って渡辺は席に着いた。
と言ってもすぐ後ろだが。
いつもならすぐに教師が入ってくるはずだが......
こない。
次は英語か。
取り敢えず準備だけしておこう。
―――10分後
少し遅いと言うことで学級委員長の浦辺美園が職員室に行こうとしたとき教室の前の扉と黒板らへんに斜めの赤黒い傷のようなものがでてきた。
皆そちらを向きびっくりしている。
でも彼女、墨染だけは相変わらずの無表情でそちらをみている。
すると、傷のようなものが裂け始めた。青色指?のようなものがみえる。
そして中から青色の化け物がでてきて、
「ヴォォォォォォォ」
ととても大きな声で叫んだ。
まるで、ゲームのようだ。
渡辺も同じようなことを考えたらしく
「な、なぁ翡翠。俺ゲームのしすぎじゃないよな」
と震えた声で言った。
俺は恐怖何も言えないかわりに大きくうなずいた。
―――うわー キャー
皆教室の後ろの方へ逃げる。
教室中パニックだ。
そんななか墨染だけが化け物の方に向かっていった。
そのとき俺は凄く時間がゆっくりと刻まれている気がした。
このままでは墨染が危ない。
かと言って自分には何もできない。
どうすれば......
と考えていると、墨染はあの化け物と戦っている?
いや、無理だ。
少女があんな化け物相手に。
でも、墨染は傷一つついてない。
全然状況が理解できない。
いったい、なんなんだ。
これからどうなるんだ。
彼女は一体なにものなんだ。