活動記録6
「敬さん!」
悠也は、部室に敬が入ってくるなり例の質問をぶつけた。しかし、敬は知っても無意味だと一言いい、力なく椅子に腰掛け、机にうつ伏せになった。
「さっき、教頭に捕まったんだ。昨日逃げたせいで、前回以上に触られた...逃げるだけ無駄だ...」
敬はそう言うと、静かに崩れ落ちた。
「そういえば、教頭は昨日灯先輩や陽奈美にはあまり被害がありませんでしたね。」
すると灯先輩の顔色が悪くなり、
「あの教頭、何処かオネエなかんじがあるでしょ?だから、ある程度のセクハラ行為も、黙認されてるの。私の友達は、下着売り場で一緒に選ばされたって言うし。女物を。」
「部室以外での恐怖ってことですか...というか、なんで首飛ばされないんですか、あの教頭。お縄もんじゃないですか。」
「教頭の実家が、それなりに教育社界で高位に位置するらしくて、趣味の一環としてみられてるというかなんというか。」
触らぬ神にたたりなし。この部にはいるまで被害にあっていなかったことから考えると、顔見知りであり、反抗されないところのみで行っているということか。こんなことを言うのはなんだと思うが、ただの犯罪者ではないのか?
その日は、新しいゲームが届いていないということもあり、教頭の生態について深く学んだ。知れば知るほど、いかに教頭という存在が恐ろしいものかを理解し、畏怖の念がさらに色濃くなることとなった。