活動記録5
その日の帰り道、鉄はTV番組を録画するようにと母にいわれたようで、文句を言いながら急いで帰って行った。ゆえに陽奈美と二人きりというわけで。小学校低学年以来だろう。
「教頭っていつもあんな感じなのか?」
「うん。でも、あまり顔を出さない人だから、なんとか...」
「敬さんはいつも逃げ延びてるのか?」
「最近はよく。抱きつかれてからは一切。それでもたまには捕まってるみたいだけど。」
下手しなくともセクハラだと思うんだが。やはりうちの学校の公務員は少しおかしい。
「そういえば、陽奈美はどうしてゲー研に入ったんだ?」
「先輩に...」
陽奈美は恥ずかしそうにもじもじしたまま、くちを開こうとしない。悠也の脳裏に浮かんだことが、悠也自身あまりよしとしないことだった為か、それを口に出すことはなかった。
後日、灯先輩に聞いたところ、入部して欲しいといったというはなしだったが、敬さんいわく、パッとみてかわいいからという理由で、灯先輩がほぼ強引に引き込んだらしい。敬さんは潔白であるらしい。
改めて思い返すと、俺は鉄の追加課題の贄として部活に入れられ、顧問に股間を触られた、ということになる。要約するべきではなかった。
その日俺は、敬さんに避難方法と股間防衛策を教えてもらおうと決心した。