活動記録4
その日最後の授業が終わり、鉄に手を引かれながら部室へとむかう。
鉄は一刻も早く灯先輩に会いたいようで。正直、そこまで惹かれる何かが俺にはわからない。
部室にはすでに灯先輩がおり、俺達が着いてしばらくたった後、陽奈美もやってきた。
いつもと変わらないはずなのだが、なぜか灯さんの様子がおかしい。敬さんに至っては、もう授業が終わってるはずなのに、来る気配が無い。陽奈美は相変わらず静かに本を読んでいる。だが、いつもいる場所ではなく、窓際に席を置いている。
鉄もその雰囲気に気づいたのか、灯先輩に話しかけた。
「あの、今日って何かあったんですか?」
「あった、じゃなくて、あるんだよ。これから。」
「なんだか嫌な予感がしますね。灯さんが元気無いところをみると、よっぽどな気が。」
「来るんだよ。あの顧問が。」
「顧問?」
「顧問やってるの教頭なんだけどね...あのひと、苦手なんだよね。」
そのとき、勢い良く扉が開いた。
「ゲー研やってるか!?」
入ってきたのは教頭だ。ほとんど合わないゆえ、このようなキャラだとは知らなかった。
「君たちが新入部員か。いやー、嬉しいね。しかも、それなりのイケメン。おや、敬くんがいないのか。全く、恥ずかしがり屋さんなんだから。灯ちゃんも陽奈美ちゃんも相変わらずかわいいね。」
そういって教頭は、悠也と鉄の体をばしばしと叩いた後、悠也と鉄の股間を叩き、
「男は大きく、な!」
と言い残し、ハハハハと笑いながら部室を後にした。
「・・・言っていたいみが・・・わかりました...」
結局その日、敬さんが来ることはなく、部活も早めに終了を迎えた。