表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一般人の僕は異世界では大活躍!?  作者: Douke
第一章 「チュートリアルかよ!?」
4/44

パート02

「その通りです。皆さまにはそうやって戦ってもらいます」

「どういう風にやればいいんだよ?」

「ただ、頭の中で想像するだけで結構です」

 想像するだけでいいって……。そんな簡単そうに言われてもな。

 じゃあ試しに、よくあるナイフとかでも想像してみるか。ラノベとかでよくあるハンティングナイフを思い浮かべてみると、いつの間にか僕の右手には想像した通りのナイフが握られていた。

「うわっ」

「その感じです。どうやらあなたには素質があるようですね」

 素質って言われても。

 それにこのぐらいなら、よく小説を書く時とかに妄想……もとい想像してるからな。だからすぐに出来たのだと思う。

「な、なんだよお前……」

 む。

 どうやらこの訳の分からない状況に、さらに一般人(まああいつらから見たら中二病なんだろうけど)である僕が、また訳の分からない事をしたから、さらに皆は戸惑っているみたいだ。

 そんな皆に、僕は呆れながらナイフを向けながら言ってやった。

「ここは夢でも無ければ、ホログラムとかゲームなんかじゃない。いい加減現実って気づけよ」

 僕がこういう風に言った事が意外すぎたのか、皆何も言えなくなっていた。

 まあそんな事は気にしないでっと……。これってもしかしたら、武器以外にも身体能力をあげたりとか、背中に羽を生やしたりとか出来るのかな?

「いえ、それは無理ですね」

「……もしかしなくても、ウーゴって人の心とか読めたりする?」

「ある程度は」

 なんてはた迷惑な能力だ。ってことは、さっきまでの僕がじれったい気持ちもばれてるって事だよね?

「この世界で創造出来るのは武器のみです。それらにいろんな能力を付加させる事は可能ですが、それ以外の創造は出来ません」

「へーなるほど……」

 なら、今日の授業中にまとめていたあの設定はいけそうだな。

「それでは、皆さんの創造力に合わせて、まずはテストをしてみましょう」

「テスト?」

 そりゃあ、何も分からないままの実戦よりはありがたいけど、僕以外の皆はまだ、創造の話まで頭がついていけてないはずだ。

 こんなぐだぐだの状態だと、少しきつくないか……?

「まあそうですね。おそらくこのテストは、あなただけが他の役立たずな皆さんを守りながら戦うでしょう」

「さっきから思ってたけど、ウーゴって結構毒舌なんだな……。まあそれはともかく、戦う相手ってもしかして、さっき言ってた魔物?」

「いえ、モンスターです」

「……いや、それって魔物と変わらないんじゃ」

「モンスターです」

「…………だから魔物と」

「モンスターです」

「…………………」

「正確には、狂牛士ミノタウロス」です

「いや、だから魔物とモンスターってどっちも同じ……は?」

 ちょっと待て。今ミノタウロスって言ったか?

「あと、一体だけだと足りなさそうなので、五体ほど用意させていただきました」

「はあっ!?」

 何を言ってるんだこの要請は!? どこの世界にそんな最初から難易度の高い、死亡フラグ満載のチュートリアルがあるんだよ! そんなのラノベでも見た事ねえぞ!?

 ミノタウロスなんてラノベで見た事がある。牛みたいな顔と角を持っていて、馬鹿みたいに怪力が強くて巨大な体を持つ、モンスターの中でも真ん中辺りに強い奴だ。

 それにどうせこの世界の事だ。もし現実みたいに致命傷を受けて死んだとしたら――。

「ええ、もちろんその場で本当にお陀仏ですよ」

 一番嬉しくない事を、ウーゴはさらりと言いやがった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ