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一般人の僕は異世界では大活躍!?  作者: Douke
第四章「こんな世界、おかしいだろ……!」
39/44

パート29

 まず第一印象としては、チャライ男だった。

 全体的にチャライ。恰好がチャライ。腰に銀のチェーンとかじゃらじゃらついてるし。髪がとがってて色とか金髪だし。元の世界でいう、チャラ男って奴がそのまま出た感じ。

 けれど、この世界じゃあそうじゃないことをちゃんと示してくれている。

 だって、背中に大きな大剣背負ってるんだから。

「……あんた、誰だ?」

「ずいぶんと定番すぎるぜぇ、その質問は。どうせならもっと変なこと言ってみろよ。ワラワラ」

 僕は定番の方が好きなんだよ。つか、なんだよ最後のワラワラって。ネットのチャットでよく見るアルファベットかよ。

 けれどこのタイミングでの登場。まるで僕が誰だか知っているかのような口ぶり。

 まさか……。

「それで、だ。悪いけどここから先は進ませねえ」

「いきなりすぎだろ、おい。少しは何かしゃべってもいいんじゃないか?」

「ん? それもそうだな……俺の名前はエンドだ。以後、よろしくなぁ。ワラワラ」

 エンド……。なんともまあ、厨二病な名前というかなんというか。

「あとはそうだなぁ……お前と同じ異世界人ってとこかぁ?」

「異世界人……!? この人、二眇様と同じって事ですか?」

「そう、みたいだね……」

 やっぱり、そうか。

 格好と名前。それに登場の仕方とかいろいろと考えた上での予想だったけれど、こいつも僕と同じ、この世界に連れてこられた人間だった。

 だとしたら、いろいろと納得が出来る。背中に背負っているあの大剣は創造で作られた武器なんだろう。

 そして、どうしてここにいて、どうして僕のことを知っているのか。

「一応聞くけど、エンド。あんたは僕のことを知っているみたいだな」

「まぁな」

「その情報源は――ウーゴからだな?」

「……ほう。やっぱり勘は鋭い奴だなぁ。ワラワラ」

 そうエンドが言うと、エンドの後ろから小さな光が飛んできた。それは斉藤さん達と一緒にいるはずの、ウーゴだった。

「どうするウーゴさんよぉ。ネタはもうばれてるみたいだぜぇ?」

「そうみたいですね」

 ここからは僕の予想だったけれど、どうやら全部当てはまりそうだった。

 この世界には僕ら以外にたくさんの異世界人がいる。

 そして、僕らがこの世界に呼ばれたときに最初に出てきたのは、このウーゴだ。

 ということは、ウーゴという存在もまた、この世界に償還された分だけいるんじゃないかということ。

 さらに言えば、ウーゴはすべてがネットワークみたいに繋がっていて、情報を共有しているんじゃないか。

 もしかすると生きてるかもしれない僕を、斉藤さん達といるウーゴは身近にいた異世界人を使って、僕の生存を確認しに行かせたってとこか。

 けれどここまで当たるとなると、だんだん自分の才能が怖くなってくるな。

「俺はウーゴから、お前が今後脅威になると言われてなぁ。それはそれで面白そうだが、殺しに来たってシナリオだ」

「それはそれはご苦労様。まさか、誰かに命を狙われるなんて予想してなかったよ」

「つーわけで、構えろや。今のお前だと、ただの人間なんだろ?」

 戦士の魂までバレてるということは、こいつは僕の戦闘をどこかで見てたに違いない。

「ではお言葉に甘えて……『誇り高き戦士よ、戦場駆け巡るその力を我に宿したまえ。戦士の魂ソルジャーソウル!』

 すっかりそう叫ぶのも慣れてしまったセリフを言って、戦闘準備をする。

「ルナ、援護頼める?」

「分かりました。任せてください、二眇様」

 相変わらずその呼び方をしてくるルナに苦笑しつつ、僕は一気にエンドのいる場所へと跳躍する。

「早いなぁ、おい!」

「せっかくこれからって時に、邪魔するな!」

 こうして、僕にとって初めての異世界人との戦いが始まった。

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