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一般人の僕は異世界では大活躍!?  作者: Douke
第一章 「チュートリアルかよ!?」
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パート01

「う……」

 気が付いたら、そこは見た事が無い景色が広がっていた。辺りはただただ平原、というか草があるから草原が広がっているだけで、人どころか木すら一本も見つからない。

 それだけならまだ現実味があったかもしれない。

 僕が起きると、他の僕と一緒に掃除当番になっていたみんなも一斉に起き始めた。どうやら、あの教室にいたみんながここにいるみたいだ。

「う、ううん……」

「な、何が起きたんだよ……?」

「みんな、大丈夫?」

 一応尋ねてみたけど、予想通り無視された。まあ慣れてるからいいけどねー。

 さて、と。とりあえずは状況確認かな。

 まずここは明らかに、僕が知っている世界じゃないよな。

 この無駄に広い草原は見た事が無いし、今の日本でこんな光景は見る事は出来ないはず。

 なにより、僕が知っている空はこんなに真っ黒じゃない。

 もし今が夜だとしたら月が出ているはずだし、それに明かりもないのにこんなにみんなの姿がはっきりと見える訳が無い。さらにこの草原だって、はるか先の地平線まで見る事が出来る。

 つまり、ここはおそらくラノベでいう異世界か。まさか本当にあるなんて、すごいな。

 そしてそれをあっさりと受け入れる事が出来る自分も、またすごいな。まあそれだけラノベの世界じゃよくある話なんだけど。

「なんだよ、ここ……。空が真っ暗なんて、さっきまでまだ夕方にすらなってないはずだぞ!?」

「これって、夢? 夢なんだよね?」

 ああもう、これだからファンタジーを知らない人は。ラノベならこれぐらいの展開は普通だぞ。

 一応、僕なんかに心配なんて掛けられたくないだろうけど、きちんとあの教室にいた人が全員いるか確認してみる。

 確かあの放送だと、僕を含めて六人のはず。

「一、二、三、四、五、六……」

 うん、ちゃんと六人いるな。それに全員クラスで見た事がある人しかいない。

 顔だけで、名前をちゃんと覚えていないってのが、ちょいと薄情な男だな。僕よ。まああまり関わろうとしないから、ある意味当然か。

 にしても、僕を含めての男三人と女子三人か……。

 軽くパーティが作れそうだな!

「僕の脳は、ラノベだけじゃなくてゲームも含まれてるのか……」

 ちょっぴり落ち込みたくなってきた。

 なんて、そんな事で落ち込んでても仕方が無い。とはいえ、僕以外はまだこの現実を受け入れてないみたいで騒いでるし、これからどうすればいいかも分からない。

 何か分かりやすい展開が怒ればいいんだけど……。

「無事、六人のご招待が出来たみたいですね」

 どんな展開かを考えていたその時だった。

 突然僕達の目の前に小さな光が空から落ちてきたと思うと、その光の正体はこれまたファンタジー世界なら定番の妖精が出てきた。いや、フェアリーと呼んだ方がいいのかな?

「ようこそ永遠と創造の世界へ。この世界はあなた達を歓迎します」

「な、なんだよお前は!?」

 あー、まあ普通の人なら余計混乱しちゃうか。この展開。

 とはいえ、いきなり異世界に跳ばされて通りかかったヒロインが助けてくれる、っていうのがパターンかと思ったけど、案内人が現われるパターンだったか。

 けど、このままだと僕が知りたいことが知れそうにないな。仕方ないけど、ここは僕があれこれ聞くしかないのか。

「ここは一体どこなんだよ? それでお前は誰なんだ?」

 かと思ったら、いかにもこの中でリーダーシップがありそうな男子が先に聞いていた。確かあいつって……クラスでも体育祭とかでみんなのトップに立ってた、体育会系男子じゃなかったっけ? いつも僕を中二病だとかでいじってきたのも、あいつが最初だった気がする。

「ですから、ここは永遠と創造の世界と言ってるでしょうが。まあ別名は創造世界ともよびますけど。そして私はその案内人。どうぞ、ウーゴとお呼び下さい」

 ウーゴって……。変な名前だなー。何かの当て字か?

「……分かった。これはやっぱり夢なんだな。それともあれか、俺達が気絶している間にどこかに移動させたんだろ!」

 いや、そりゃ気絶している間に僕達がいた世界からこの異世界に移動したんだろうけど、少なくとも夢じゃないと思うよ。頬をつねってみたら痛いし。

 つか、これじゃあこいつも役に立ちそうにないなー。

「いいえ。これはあなた達でいう現実ですよ。いい加減現実を見てください。そして、あなた達は元いた世界からこの世界へと移動しました。分かりやすく言うなら、異空間移動といった方がいいでしょう」

 それはもう分かってるっての。さっきからじれったいな……。

「そこのあなた」

 一人でいらいらしていたら、ウーゴが突然僕の事を呼んだ。

「あなたは随分と状況判断が出来ているみたいですね。それに私が現われるよりも早く、この世界を現実だと受け入れている」

「まあ、そんなのすぐに気付くし、それに僕はこういう展開は慣れてますし」

 ラノベでだけど。むしろ前々からこんな展開を望んでた。

「あなたは何か、私に聞きたい事がありますか?」

「そりゃいろいろあるけど……。定番通りにいくとするなら、僕たちはこの世界で何をする為にここに呼ばれた?」

 そう言うと、待ってましたとばかりにウーゴはほほ笑んだ。

「あなた達には、この世界をいずれ闇に沈めてしまう魔物たちを倒してもらう為に来てもらいました」

 魔物、か。

 魔王とかじゃなくて、魔物。まあどちらにしろド〇クエみたいな話か。世界が支配されてしまいそうだから、勇者に来てもらうっていう。

「まあそれはいいんだけど、僕たちはどこからどうみてもただの一般人だ。一体どうやって戦えっていうんだ?」

「だから、ここは創造世界とも呼ばれているのです」

 ……まさかとは思うけど。

 その創造というのは、自分で創造させて武器やらいろんな物を生み出して戦うって事なのか?

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