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一般人の僕は異世界では大活躍!?  作者: Douke
第三章「いざ、美少女を求めに!」
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パート19

 翌日。

 村長たちに見送られながら、俺たちは村を出て都を目指す事にした。その為に砂漠を越えないといけないんだけど、ガイコツ達を退治した報酬としていろいろと道具やお金を、村の人たちからもらったのでなんとかなるだろう。

「あつー……」

「なんで空が黒いのにこんな暑いんだよ……」

 それでも、あいつら男子二人がそう言っている通りに砂漠は暑かった。もちろんこれはあいつらだけじゃなく、他のみんなにも言えることだけど。

 しかし、考えれば考えるほど分からなくなってくるな。

 空が黒いのはまさしくここが異世界だと証明することで分かりやすいけど、にも関わらず太陽は出ているし、風景に色が無い訳じゃない。

 しかも夜になるときちんと月が出ていた。元の世界と同じで満ち欠けもしていた。

 まさかこの世界では、青という色が消えているのかと思ったけど、村にある果物とか服を見ているとそんな事はなかった。

 ……まあ別にそんな事どうでもいいか。とりあえずはこの砂漠を越える事を考えないとな。

「……瑠花ちゃん、その剣どうしたの?」

「え、これ?」

「お、そういや俺も気になってたんだ」

「私も私も」

 他の五人は斉藤さんを中心に喋ってたりしていた。まあその中心となるのは僕が作ったあの剣なんだろうけどさ。

 ちなみにあの剣は、村で貰った革で出来た鞘に入れて斉藤さんが腰につけている。鞘に入れてる時は最初のただの変哲もなさそうな剣の状態で、戦闘の時に抜くと形状が変わってあの派手な剣になるように設定をしてある。

 僕のあの双剣もいつでも使えるようにしてあるから、斉藤さんと同じように腰にぶら下げている。鞘は付けてないけどさ。

「何やらつまらなそうですね」

「……なんだよ、ウーゴ。いきなり」

「いえ別に。あなたも本来ならあそこの輪に入るべきなのでは?」

「僕はいいんだよ。本当だったら関わらない存在なんだからさ」

 そう。元の世界だと僕はただラノベが好きな中学生。あだ名は名前とかラノベを読んでるからと合わせられて、『中二病』と呼ばれてる異物な存在。

 それなのにこの世界に来たとたんに大きな顔なんて出来るもんか。そんな事はラノベを読んでいたら分かる事だし、なにより僕自身がそれを嫌っているんだから。

 正直な所、こういうのは自慢とかしたくないし苦手だ。今までそういう機会がなかったからかもしれないけど、なんというかそれだと自分が一番上なんだぞ、という意思表示みたいな感じで嫌だ。ただこんなの出来て当然、だけどその方法を教えてはやらない、みたいなスタンスの方が気が楽だ。

 僕が先頭で歩いて、後のみんなは後ろで話しながら付いてきている形に歩いていた。

 村長の話によると、この砂漠でもモンスターはやはりいるみたいだ。気は抜けない。

 何もない砂漠をずっと歩いて、もう一時間くらい経っただろうか。

 みんなもこの暑さで喋る事すらきつくなったのか、黙って水を飲みながら歩き続けていた。

 村長から貰った地図を見てみると、そろそろ村と都のちょうど、中心にあるはずの遺跡が見えると思うんだが……。

「……お。あれか」

「ど、どうしたの野中君?」

 遺跡を見つけて止まった僕に、斉藤さんが話しかけてきた。斉藤さんも普段から運動はしてないのか、かなりつらそうだった。まあそれは僕にも言える事なんだけど。

「いや、遺跡を見つけたからさ。これで都まであと半分って――」

「ねえ、あそこに倒れてるのって、人……?」

「――――は?」

 斉藤さんの傍にいた少し控えめな女子が、遺跡の方を見てそう言った。

 慌ててもう一度遺跡の方を見てみると、遺跡の入り口付近に二、三人が倒れているのが見えた。

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