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一般人の僕は異世界では大活躍!?  作者: Douke
第二章 「え、勇者?」
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パート13

 ガイコツが飛ばしてきた矢を避ける事は出来ない。僕は空中にいるから、身動きが取れない状況。

 しかも防ごうにも、矢の数は軽く三十は超えていた。

 無傷でボーンキングを倒す為には、この矢をなんとかしないといけない。

 なら、この方法しかない!

「『全てを守る白き剣よ! その力を我と融合せよ!』」

 腰に刺してあった白い剣を右手で抜き、自分の左腕に刺す。

 痛みは感じずに、白い剣はその形を変えて腕を守る籠手こてになった。

「『我の行く先を阻む物を拒め! 輝きのオーロラウォール!』」

 そして籠手が装備された左手を前に出しながらそう言うと、僕の前方だけにドームが作られて全ての矢を防いだ。

「ナンダトっ!?」

 ボーンキングが驚いている間に、黒い剣を右手で構えて狙いを定める。

「これで終わりだ――一刀両断いっとうりょうだん!」

 黒い剣を大きくさせ、横なぎに払う。その斬撃は狙い通りにボーンキングの首と持っていた杖を見事に両断させた。

「ガっ……」

 杖が壊れたからか、ガイコツの巨人はその体を維持する事が出来なくなり、どんどんと崩れていった。

 今度は前方だけじゃなくて、僕の周り全体に『輝きのオーロラウォール』を張り、上から落ちてくるガイコツの骨を防ぐ。中にはガイコツたちが使っていた剣や弓矢などの武器も落ちてくるから、このドームを張って無かったら、戦闘が終わったのに傷だらけになっていたと思う。

 地面に着地するころには、ガイコツの巨人は崩れ落ちてただの骨の山が出来ていた。

「さてと……」

 骨の山を上を歩いて、一番高く積み上がっている部分を目指す。そこには案の定、さっきのボーンキングの頭があった。

「………………」

「おい、死んだふりしてんじゃねーよ」

「イタっ」

 ボーンキングの頭を少し強めに蹴って、手で持ち上げて顔の位置を合わせる。

 ……頭といっても、人間の頭がい骨に王冠がついてるだけだから、正直目を合わせるのは怖い。

「ナ、ナゼしンデナイトワカッタ?」

「お前元々ガイコツなんだから、潰さない限り死なないって考えれば分かるだろ。それより、さっきの話を聞かせて貰おうか」

 ほんの少し頭を持つ手に力を加えながら、さっきの質問をする。

「フン……。ニンゲン、オマエはココのセカイノジュウニンじゃナイであろう?」

「――――!?」

 なんでそれを、と僕が言う前にボーンキングは喋り続ける。

「オマエがブキをウミダシテいるソレは、このセカイにショウカンされたモノだけがツカうことがデキる、『創造実現』。しかも、ソレだけのノウリョクをモッタブキはそうそうない」

「……それって誉めてるのか?」

「いいや、ギャクにチュウコクしてる。それはおいおいキヅクであろうが……、イマはあのムラとのフルくからのヤクソクのハナシだったな」

 その約束とは、僕の予想の斜め上を行っていた。

 ガイコツたちはあの村に襲いかかりに来たのではなく、十年に一度、村で死んだ死体を受け取りに来ただけだったのだ。

 この世界には墓という概念はあまりなく、死んでしまった人間は火葬されるのが普通らしい。そして骨はそのまままとめて地面に埋める。

 あの村では火葬して残った骨をガイコツたちに渡し、ガイコツたちからは、骨から作られた頑丈な武器や道具を貰っていた。

 それだけなら、お互い利益になっているから何も問題ないはず。

 なら……。

「なんで、あの村長は襲われると勘違いしてたんだ……?」

 

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