パート12
ガイコツとボーンキングと戦い始めてから、約一時間が過ぎた。
その場にはすでに立っているのは僕と、胸に大きな穴を開けたボーンキングだけが立っていた。その周りには僕が倒した、ただの骨になっているガイコツの死骸の山だけだ。
「ばかナ……ただのニンゲンゴトキに、このワタシのナカマたちがヤラレようとは……」
さすがに、一人でこんだけの数を相手にするのは大変だった。
まず囲まれたらどこから攻撃が来るか分からないし、しかも遠距離攻撃をしてくる奴もいたし、しかもガイコツってほとんど骨しかないから、攻撃してもすぐに復活してくるし……。
まあそれでも、だとしても。
どうやら僕の創造で創り出した力の方が、上だったみたいだ。
「……とりあえず、なんであの村を襲おうとしたか教えろ」
『戦士の魂』を使っているから、口調がほんの少しだけ強気になっている。これは元々僕が考えた設定だから、あまり気にする事じゃないんだけども。
それでもまるで、僕が僕自身じゃない気がして、少し気持ち悪い。
「……オソう? く、くく、ナルホドなニンゲンよ。どうやらオマエハはカンチガいをしているみたいだ」
「勘違い?」
「ワレラはただフルくからのヤクソクをマモるために、このチへとやってきたのだ」
「約束……?」
「それをシリタケれば……このワタシをコロシテみよ!」
ボーンキングは持っていた杖を振るうと、倒したはずのガイコツの骨が集まり始めた。
そして――。
「おいおい、ウソだろ……」
全長十メートルはありそうな、巨大なガイコツが出来あがった。
いや、これ無理だろ。どうやって倒せって言うんだよ。
しかもボーンキングは頭のてっぺんにいつの間にか移動していた。
「うわっ!?」
その大きな巨体から想像も出来ないほどの早さで、ガイコツの骨が集まってできた腕を振り下ろしてきた。
どうやって避けるかな……横に避けるとかあるけど、それだと防戦一方になりそうだし、『輝きの壁』使ったら身動きとれなくなりそうだし……。
「……ああもう、めんどくせえ!」
村を出る前に創造していた武器――聖槍を構える。
「貫きやがれ!」
それを振り下ろされた腕に向かって思いっきり突き刺す!
ロンギヌスで貫かれた腕は二つに分かれ、分断された腕はそのまま地面に落ちた。
そして少しだけ動きが止まった巨大なガイコツの体にロンギヌスを刺し、それを足場にして一気に頭のてっぺんまで跳躍する。
「これで終わりだ!」
「ソレはコチラのセリフだ!」
てっぺんにいたボーンキングにとどめを刺そうとしたら、巨大なガイコツの顔のあちこちから、弓矢を構えたガイコツたちが現われ一斉に弓矢を引いた。




