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月の聖女vsゲスの汚女

アサノニア帝国歴1026年春の月22日目。天気曇りのち晴れ。


今日はエルサム様から、昼から学園に行くので仮眠でもしていろと言われ、睡眠をとってからエルサム様を迎えにエルサム様の自室へ向かった。


趣味の日記を書いていたので、少し寝不足だが、仕事に支障はない。


エルサム様の自室の前につく。ノックすると「入れ」と中から声がする。


僕は「失礼します」と言ってからドアを開け、朝の挨拶をし、お辞儀した。エルサム様は僕の一連の動作を見届けた後、話し始める。


「エディ、俺を連れて学園に転移しろ。」


「へ?」


エディ様がご通学される時は、護衛を連れて万全の警備の上、馬車に乗られる。


朝はもちろんアリシア様もご一緒だ。それをすっ飛ばしていきなり転移とは?


僕の目が点になっていると、またエルサム様はため息をついた。


「納得しないと動けないのはエディの利点だが、フリーズするのを良い加減なおせ」


「はい。すみません、、」


僕がエルサム様の一声で冷静さを取り戻すと、エルサム様の青い目が細まる。


「今朝、あの汚女の証言書を読んだ。今日がやつのいう“イベント”の日だ。」


あぁ、僕は昨夜夜鍋してまとめた内容を思い出していた。


「確か、、迷子の子どもをルシィ嬢が助けていると、ちょうど登校中のエルサム様と会って、子どもを無事母親の元に届け、遅刻しそうだからとエルサム様の馬車に乗って、投稿するってやつですよね?」


口に出すと、なんとも素っ頓狂な筋書きだ。第一に、帝国の第一王子はホイホイ馬車から降りない。用があれば従者を寄越す。そもそもこの筋書きは破綻しているのだ。


でも、一つだけ疑問がある。


「でも、もうお昼ですよ?そのイベントって内容的に朝じゃないですか?」


そういうと、エルサム様は答える。


「俺もそう思い、従者に確認させたところ、まだいるみたいだ。子どもと一緒という報告はないがな。」


え、、エルサム様が来るまで待ってるってこと?怖、、、。でも、、、


「でも、馬車で向かい、あの女がいるところを素通りすれば良い、とでも言いたげな顔だな」


、、、なんでわかるんですか、、、?僕が驚いた顔をしていると、エルサム様が話を進める。


「あの女に会った時に、鑑定した。彼女の特技は幸運と魅了だ。幸運はそんなに高くないが、イベントの日限定で、自分の都合がいいようにことが転び、魔力が低いものかつ顔見知り程度の好感度であれば、初対面でも意中の相手レベルに意識させることができる。」


「え!?それって、、こと恋愛においては、都合良すぎません?」


僕は思わず驚いて、主人を差し置いて発言してしまった。僕はしまった、、という顔をしながらエルサム様を見たが、お咎めは無しだった。


「ハァ、、本人がまともであったなら、外交官向きの良い特技だったのだがな」


エルサム様は青い目を伏せ、長いまつ毛で隠してしまった。絶対ルシィのことを憂いているんじゃなくって、彼女の特技が欲しかったって顔だ。


ん、?でもエルサム様が意味のない話を僕にするわけがない。僕はエルサム様に発言していいか確認し、了承を得たので発言する。


「もしかして、昨日の王室専用サロンへの侵入と関係が?いつも出入り口は衛兵がいるのになんで入れたんだろうと、不思議に思っていましたが、特技がイベント日限定の幸運と魅了であれば納得します。」


エルサム様は僕の発言にフッと微笑む。


「よくわかったじゃないか、俺が賢いと思う動植物ランキングをハエから上に上げてやろう。」


え!?僕ハエ以下だと思われてたの?!衝撃を受けていた僕を尻目に、エルサム様は優雅に立ち上がる。


「馬車で向かうと、あの女の特技に従者たちが巻き込まれるやもしれん。学園の、、いや、愛しのアリシアの元へ迎え」


そう言いながら、美しく長い指先を僕に出す。僕はその手を取って空間転移をした。


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