表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第0話 【僕のなりたいもの】

「ピッピッピピー!」

ここで試合終了の笛です。

小学生、関東大会準決勝終了です。決勝進出は、松蔭小学校。全国大会の切符を手にしたのは、松蔭小学校。

ぼくらは、負けた。関東大会まで行った。僕がミスをしなければ勝つことができた試合だ。チームメイトの全員が泣き崩れている。僕が原因だ。僕のせいだ。

「くやしい、くやしい、くやしい。」

唇を噛み締めながら、ピッチに崩れる。

僕は、このチームの守護神だった。僕は、この試合以外無失点だ。負けの原因は僕だ。

僕が、ロスタイムのコーナーキックで上がらなければカウンターを喰らわずに、1−1で延長戦まで行けた。ここまで、大事な場面で上がって点は取った。しかし、それは、僕でなくても点になっていたのかもしれない。コーチに背中を叩かれて、みんなが立った。みんな、泣いている。

「お前ら、よくがんばった。コーチは、お前らとここまでこれて本当に嬉しい。」

コーチの目にも涙が見えた。本当は、とてもくやしいはずである。だけど、それを隠している。

「お前らは、今年で小学校卒業だ。来年からは、中学生だ。大人に近づく。全員の夢に近づいていく。サッカーを続けて夢を追うもの、サッカーからは、離れて他のことをするのもいるかも知れない。だけど、お前らの、このチームでの過ごした時間は、どこまでもお前たちの背中を押してくれる。この悔しさを忘れるな!」

「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」

チーム全員が返事をした。保護者からは、拍手が届いた。

そして、みんなが帰路につく。僕は、帰り道も常に泣いていた。



時は流れ、卒業式。小学校最後のサッカーをチームメイトみんなでやった。幸いなことにチームメイトは、みんな同じ中学に進学することが決まっている。

「みんなで、中学でもサッカーしような!」

みんなが頷いた。



これは、僕、幸本陽生(ようせい)の最強のゴールキーパーになるための話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ