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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

耽美奇譚

骸の花嫁

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。狂ってます。

恋人の捕食シーン見て恍惚とする描写があります。

ご注意下さい。

その男は収集家だった。あらゆる奇想な物を集めに集め、部屋を飾り立てている。壁沿いには慎ましい蝋人形。純白のベールを羽織、枯れた花を胸元で抱える様は、恐らく花嫁だろう。境目には異型姿のブロンズ像。下半身に尾ひれが着いている所から、恐らく人魚だろう。そして壁一体は本棚となっていた。異形の部屋。好みが真っ二つに別れるその部屋で、男はある骸骨を愛でていた。

フリルを幾重にも重ねた純白のドレス。肉のない顔にはふんわりとベールが被せられている。その下から愛おしげに指を入れて、そっと愛撫を繰り返す。硬い、鉱物の体はカタカタと音を立てて、凭れ掛かった。まるで眠りに落ちた人間が、男に甘えるように。

「愛おしいね。例え骨だけになっても、君はとても愛おしい……」

男は花嫁にそっと口付けを交わした。顎を引き下げて、自らの舌を捩じ込む。肉も皮もない上顎を丁寧に舐めまわしながら、熱烈に愛を注いでくる。

勿論、花嫁から彼に何かを与えて来ることは無かった。ただ、されるがまま、彼の唇を受け入れて、だらしなく口を開けるばかりである。

そうして思い返すのは、彼女が骸と化したあの日の事。近所の凶暴な猟犬が逃げ出して、彼女のやわ肉を貪った、あの日の事。

犬は馬乗りになって、彼女の首に噛み付いていた。目は虚ろで落くぼみ、もう光を放ってはいなかった。地面に落ちた腕が擦り切れて、血が滲み出ている。そうしてされるがまま、骨から肉を引き剥がす。綿菓子の様に食い散らかされ、ざらついた舌先で骨までしゃぶり尽くされる。

それを男は黙って見ていた。恍惚とした表情で、恋人が無惨に食われるのを眺めていた。そうしてこう思った。捕食者が肉を食らう様は、自らの情を掻き乱すと。

腹が一杯になったのだろう。犬は血塗れになった口周りをチロチロと舐めまわし、静かに瞼を閉じた。男はそれを見計らって、こめかみに一発鉛玉をめり込ませる。

後は話の通り。恋人の亡骸を愛おしげに持ち帰ると、丁寧に洗った。肉という服を削ぎ落とされ、生まれたままの姿となった彼女を、今になって哀れに思った。だからだろう。無意味な花嫁衣装を全身に纏わせたのは。まぁ、今となっては過ぎた事だ。

「やはり肉の服が必要かな? あぁでも……肉を着けたらまた、今度は私が食ってしまうね」

そう言って男はまた愛おしげに骸骨に口付けを行った。今は亡き、恋人の骸に。

花嫁が食われる以前には、普通に彼女の恋人だった。

性癖開かれたのは、捕食された後のこと。

惚れた女は、食われる様まで色っぽい……。

と感じて以降、彼女の遺体を洗浄し、骨格標本にして愛でている。

ちなみに、食らった犬の事は許してない。ミンチにした。

でも肉を着けたら今度は自分が食いそうなので、今は愛でるために我慢してる。一重に愛です。

多分ヤンデレ。多分……。


以下、頭おかしい言動が許せる方向け。


このゴシック・ホラーな世界観が好きなので、また書きそうです。

影響を受けたのは、とある店と有名な文豪、肉食動物の捕食シーン。

『食う』の意味から派生するだけはあるなぁ……。と思いながら、最近は捕食シーン見るんですよ。

自分で書いてて気色悪い……。と仰った、あの文豪の名言が頭を過ぎります。

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