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悪意の笑顔

とりあえずお化粧を落としてこいとお兄様に言われ洗面に向かう途中、すれ違うメイド達は何やら驚きを通り越した顔をしています。

まぁ普段とは全然別人のようになっているから当たり前ですけど視線が痛いです。

濃い化粧とゆう物はしっかりとしたお化粧落としでないとなかなか落ちないもので、洗い落とそうとしたものは全て逆に汚くなってしまい、マスカラやアイライン、チークに至るまで全てが顔の上で崩れ、まるで化け物のようになってしまいました。

16歳の時はそれなりのお化粧道具とお化粧落としを持っていたためこんな事になったのはお化粧を初めてすぐくらいですっかり忘れていましたわ...

当時はお母様のお化粧落としをお借りしてたのでしたわ!!


「ベリー?そこにいる?私お顔が大変な事になっていてどうしたらいいか分からなくて困ってくるのだけど...お母様にお願いしてお化粧落としを借りてきてほしいの!お願い!」


「かしこまりました。それにしても酷いお顔ですね!すぐ奥様にお知らせしお持ち致します」

むしろこんなにされてまで少し可愛さが残るなんて普通有り得ませんが、あのアプリってお嬢様は一体うちのお嬢様をどうするおつもりなのか


ベリーがいなくなってから1分もしないうちにノックする音

コン コン コン


「ルーナ様こちらですか?皆様お待ちなので早く来てください」

とアプリ様がお部屋の前にいるため

「まだ落とせていないためもう少しお兄様達と待ちください」 と声をかけた途端


ガチャ

扉があいて許可なくアプリ様が入室され

ニヤァとあの日のような笑みを一見せた途端

「きゃーーーーーーー」甲高い声が広い屋敷全体に響く...

「どうした!!大丈夫か?」

アプリ様の声に飛ぶように早くアデル様がかけつけてきて

私の顔に驚き力が抜けた様なアプリ様を起こそうとしています

こんな顔を見られてしまって、女の子として淑女として居たたまれず、恥ずかしく死にそうです。

「おい、ルーナ!そんな醜くて化け物の様な顔を見せられたら誰だってアプリ嬢のようになってしまう。その顔のまま部屋に通すとは意地が悪いぞ!」アデル様に言われ


恥ずかしさや勝手に部屋に入ってきたアプリ様への怒りが大きくなる。

どうしてこんな事を言われなければならないのか、そもそもアプリ様が許可なく入って来たのに...マナー違反したのは私じゃないのに..どうしてアデル様は私をいつも悪者にするの...


恋愛の気持ちはこれっぽっちも欠片も残っていないが、昔の記憶も思い起こされ悔しくなりぎゅっと手を握る。

大きな瞳には涙が溜まり今にも溢れだしそうなルーナの姿にきずかずにルーナを攻めるアデル

そこにアプリも加わり自分がどれだけ怖い思いをしたかこんな事で周りを巻き込むなんて...等一通り言いたいことを言ったあと、

「アデル様!私....怖い思いをしましたけどそれでも私、彼女を許しますわ!」

涙を一筋流しさながら聖女のように手を前に組み祈るように発した言葉は さらにアデルをヒートアップさせた。

「こんなに優しく許してくれているのに謝る事もできないのかお前は!!」

昔の記憶を甦らせるような強い口調眼差しで私は自分の体がガタガタと震え血の気が引いていくのを感じる…上手く話せない


どうせアプリ嬢がなにかに驚き大袈裟に叫び声を上げただけだと待っていたが、アデルの戻りが遅いと少し心配になり探しに来たお兄様とステファニー様。

私の情けない姿に驚き、倒れそうな私に気づき焦る様に支えてくれてた。

安堵からなのか血の気も引き化粧でドロドロな本物の化け物の様な姿なんて見せたくなかった。

悔しさなのかこぼれ落ちる涙は一向に止まらず、状況も説明できないため私とアプリ様達を別々の部屋へ案内しアデル達は事情聴取へ

私はお化粧落としを急いで取りに行き戻ってきたベリーと廊下で会い、早くお化粧を落としたいと震えながら伝えた。

ベリーはただことでは無いと急いでお風呂を準備してくれて、心身ともに少しリラックス出来たためお兄様へ今回のことをお話ししました。

お兄様は私の背中や頭撫でてくれて安心させてくれている様で、ちらっと顔を覗くと優しい手つきや怖いるとは別人のような凍えてしまいそうなほど冷たいお顔をされていて、アデル様たちが少し心配になりました....


1度目の人生でこんな出来事はなかった...

でも今回の事でよくわかった

私アプリ様に既に嫌われている。

なぜ.....

アデル様だってもう既にアプリ様のそばにいるし2人の邪魔をしたりしていない。私を嫌う理由はいったいなに?



1度目の人生思い返してみればアプリ様はずっと優しいようで優しくなかったのかもしれない.....




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