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マナーは大切です


おトイレから帰って来るとアプリ様は私たちとお茶会をしたいようなのです。


しかし席は4人がけ

私たちは5人....

通常であればアプリ様がご辞退されるべきではありますが

アデル様が私に辞退してほしそうな感じです


「ルーナさっきまでいっぱい食べてたようだし少し他のご令嬢やご令息とお話ししたらどうかな?」


あらアデル様ったらアプリ様の前だからって紳士のような物腰ですわ。


私としては一刻も早くここをぬけ関わりたくないのです。

回帰前あんなこともありましたし

「ではそう致します」

と淑女の礼をし行こうとすると

「その必要ございませんわ!ほら椅子を持ってくれば5人座れますわ」

ぴくりと眉毛を動かしアデル様を見るステファニー様

その視線にあからさまにびっくと肩をはね上げるアデル様


それもそのはず

主催者が4人の席と決めたら席を移動していいわけが無いのです。

もっと形式ばっているお茶会は座る場所まで指定されています。

今日は無礼講との事でお話ししたい人同士が同じテーブルに座る事が許されているだけなのですから


4人しか座れないのは4人の方が相手との距離感が程よく、体の間から庭園を眺められるからです。


またおひとりで馴染めない方も空いている席に座ることで今まで関わることが出来なかった方とお話しできる機会にとってあえて大人数の席にしていないようです。


ステファニー様は明らかなマナー違反を視線でアデル様に伝えているようですわ。

アデル様もさすがにわかっているようですが注意し嫌われたくないのでしょう...

「まぁ..いいでわありませんか少しの間だけです」

とアデル様が承諾すれば周囲は母である王妃様強いては主催者の許可あっての事だと思わざる得ないのです。いくら周囲がマナー違反だと咎めても


そおいえばここまでの流れは前回と一緒

前回はお茶会にお友達がいないしせっかくできたお友達と一緒にいたいと駄々をこね5人でお茶会したのでしたわ



「良かったですわね。ルーナ様!!これでお1人で寂しくならずに済みましたね!」


そして前回と同じセリフ

一部始終見ていない人は前回のように私がわがままを言ったように見えるんだろうなぁ


円形の机に5人並ぶのであれば

私 アプリ様 紹介者のアデル様 ステファニー様 お兄様(私の隣)順番が1番正統


でもアプリ様は

私 アデル アプリ ステファニー お兄様

と王子の間に割って入ったのです

通常4人席ですから5人ですと肩が触れ合うほど距離が近いのです。同性や家族が固まり知り合い同士が間に入るのが普通なのですが…

でないと はしたない淑女としての品性を疑われてしまいますもの

見てくださいあのステファニー様のお顔

まるで彫刻のように無表情ですわ


仕方なく5人でお茶会を始めますがなんとも気まずい...


これだけ可愛らしいお方ですし、ゲームの中ではほぼ全てのイケメンをメロメロにさせてきたのです。

花が咲き綻ぶ様な笑顔でお話しされますが、アデル様以外はほぼ反応を返しておりません。

お兄様はもう恋に落ちているでしょうから、緊張によるものだとして

ステファニー様はいつ恋に落ちる瞬間が来るか、攻略出来なかった身としてはかなり興味津々ですわ!


しかしアデル様以外は何故か私のお世話をせっせと焼いてくれますので申し訳ないのです


ケーキが無くなればお兄様が取りに行き

口の周りにケーキがつけばステファニー様が拭き取ってくださいます

私だって淑女でしたし、今だって淑女見習いです!!

上手に食べているはずなのですが...


「あら、ルーナ様はほんとにお可愛いこと そんなにほっぺたにケーキをつけていては立派な淑女にはなれませんわ!私が今度教えて差し上げますわ。それに今はいいですけど男性にあまりお世話を焼かせると周囲からの噂も大きくなりますのよ!」

「アプリ嬢の言う通りだよルーナ。」とアデル様。

アデル様.アプリ様は微笑みながら私にやんわり注意をなさいます


ごもっともだと思ったので

「ご注意ありがとうございます!今後精進して参ります」

とお礼を伝え

「お兄様、ステファニー様私立派な淑女になりたいので自分の事は自分でやってみますね」

とお伝えするとお2人から急に冬が来たかのような冷たい眼差しと雰囲気を私ではなくアプリ様に感じました。


アプリ様は気づいていないようで幸いです。

私があの眼差しを向けられたら凍りついてしまいますわ


それにしても異常な視線を感じ凄く居ずらいのです

たしかにここにいる方々は周囲の視線を集めるのは当たり前の容姿でございます



しかし今は男性の視線がすごいのです

やはりヒロインはすごいなぁと感心致します

この日はゲームのキャラクタがすごい事を思い知った以外大きな出来事はなくお茶会は終了致しました


帰る時には同じ歳のご令息から沢山挨拶を受けました。

お兄様が助けてくれなかったら全員自己紹介をする頃には明日になってしまう所でした。

だいたいのご令息は

「僕もアプリ嬢と仲がいいので今度皆でお出かけしましょう」

と言った旨が多く

積極的にアプリ様をお誘いしにくいから私にお出かけを主催してもらいたいのね....

「私は今日知り合ったばかりであまりアプリ様と仲良くなれていない」とほんとの事をお伝えし残念がられてしまいましたが...


〜お茶会から1週間がたった頃〜

「お約束通り、遊びにまいりましたの」

と飛びっきりの笑顔のアプリ様が何故か我が家げいらっしゃいました


「お約束?致しましたでしょうか?」と疑問を投げかけると

「今度貴族のマナー一緒にお勉強しましょうと言ったではないですか」と笑顔で返され、「ステファニー様のお好きな女性のタイプを入手しましたの」と耳打ちされました。


あ...前もこうだったな! 前はアデル様のタイプでしたわ!どこで入手されているか分かりませんがとても助かりました!

でも今はアデル様ステファニー様もお慕いしていませんが、アプリ様が可愛らしくドヤ顔されているためお話しを聞く事に致しました。


ピクニック風にお庭にシーツを敷きお茶会とお菓子をご準備致しました


花々に負けないくらい可愛らしいアプリ様は

「実は今日はこっそりお化粧道具をお持ちしましたの!ステファニー様は大人っぽい方がお好きなのですって」

といたずらっ子のような顔をなされ

あーこれはお兄様も恋に落ちるわけだと納得致しましたわ。

「私姉や妹がいなくて、このようにお化粧ごっこやお慕いする異性についてお話ししたかったの」と胸の前でパチンと手を叩く姿はお世話好きの女の子といったイメージにピッタリです。


「さぁルーナ様お化粧をして差し上げますので目を瞑ってくださいな」

と言われ前世と同じだなぁと懐かしさを感じ目を瞑ります

次に目を開けた時にはまるで別人のようになっておりました

回帰前までの完成度はありませんがそれと似たような感じです

私のお気に入りだった顔です

つり目気味にかかれたアイラインは子供が書いたのでよれていますし、口紅は真っ赤にし頬には強めにチークが乗っています。

私の戦闘顔でしたからなんだか気持ちも強くなったように感じます。

私のメイクはアプリ様が考えてくれたものをそのままプロによって施されていたようで、回帰前の私はアプリ様への全幅の信頼を寄せていたようです


でもこれはアデル様がお好きなお顔だったのではなかったかしら...

まぁご兄弟で好きなタイプが似ることは良くある事ですので仕方がないですわ


「まぁルーナ様すごいですわ!こんなにお化粧で印象が変わると思っていなかったです!!凄く大人ぽくて素敵ですわ!!」

まだ10歳にもなっていないのに大人っぽいとかあるのだろうかと思ったけれ

鏡に映る私はたしかに16歳に近いから改めてメイクのすごさを実感致しましたわ!

そこでなぜが我が家を訪れていたアデル様と学校が終わったと帰ってきたお兄様とステファニー様がいらっしゃいました。

皆様何故か笑いを堪えてそうですが..

アプリ様がメイクしてくださったことをお伝えすると

アデル様は「凄く可愛くなったね」と褒められました

これはアデル様と婚約しないためには早くメイクを落とさねばと思いますが

お兄様やステファニー様は「可愛いけどまだお子様に化粧は早いよ」と言われてしまいました

どうやらステファニー様可愛いとおっしゃったしやはり兄弟で趣味が見るのね....



アプリ様も最初こそは少し青い顔をされていたけど殿下たちの反応を見て嬉しそうです。




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