扉の先には
「来てくれたか。我が娘エンジェル!!さあ早くこちらへ」
声をかけて来たのはこの国の国王..マリンアウイナイト様
その横に本日連れてきたであろう王子に目がいき
固く握った手が一瞬で冷たくなり血の気が引き青ざめるのが自分でもわかる
「麗しい日差しでございます。皇帝の輝きのご挨拶致します」
決められた挨拶文句でカーテシーをすると
焦ったような声が聞こえる
「エンジェル!どうしたんだい急に賢っまって!!いつものようにマリンおじ様と言って抱きしめてくれはしないのかい?」
空気がどよーんとしたわ.....
何故かしら一瞬キョトンとしてしまった。だってこの方はこの国の国王。おじ様と呼んで言い方ではない。ただこのいかにも国王という顔のダンディなおじ様があんまりにもしゅんとしているものだから..
国王のくせに両手を広げる膝をゆかにつき待っているものだから 昔はよくこうしていたなと懐かしくなり
「会えなくて寂しかったです。おじ様」
とおずおすと近ずき抱きしめる。
一応16年生きてきた記憶があるし恥ずかしいですわ。
途端周囲に花でもまっているのかと思うほど華やかな空気となる。
「そんな立派なカーテシーをいつ覚えたんだい。大人ですらっと難しいよ。やっぱりエンジェルは俺の娘だなぁ」
なんて親バカならぬおじバカになっている。
皇太子妃教育で身につけたなんて言えないから、おじ様に見せたくて練習したと微笑めば
「ルーナそおゆうのはお父様に先に見せるものだぞ」
と父が口を挟み陛下と言い合いになっている。
この空気感で忘れていた...
隣にいる王子たちのことを。
でも先程より平気になっている。
きっと私が16年生きてきた王子たちより人生の先輩だって事を思い出したから。
それに昔の王子たちすごく可愛いいんですもの
さすが攻略対象だわ。お兄様も含めるとみんな違う魅力があって被りキャラが居ないもの!!
性格はお兄様ステファニー様が似てはいるけれど。
アデル殿下はアイドルのように可愛らしくこれがみんなの理想の白馬の王子に変身するし
ステファニー殿下は今ですら神様が自らの手で人ほりひと彫り丁寧に作ったのでは無いかと思うくらい人並外れて美しい。将来はもはや神の化身といわれていたもの。
「さあかわいいエンジェルにも会えたしそろそろ本題に入ろう公爵。子供たちは遊んできなさい」
国王が父を公爵と呼ぶのは仕事の合図。普段はお互いに名前で呼びあっているから。
〜一方子供たちは〜
大きくなったアデル様は私を選んで下さらないわ...
そう思いぼーっとアデルを見つめると
「おいルーナ。なんでずっとこっち向いてんだよ!みんなよブスが移るだろ」
あらアデル様ってこんなにあらっぽいお方だったかしら?
子供だからなのね。とすっと納得できた。
どうして私アデル様をすきになったのだったかしら?
「アデル。うちの妹に対してなんでそんな事を言うんだ。どっから見ても天使みたいじゃないか!」
シトリンお兄様が子供ながら低い声でアデル様を責めます。
ステファニー様も後ろで頷いているわ。きっとめんどくさいのね
「なんだよ。シトリンシスコンじゃねーか。お前も兄上もいいよな。自分の好きに婚約者選べて。俺だって自分で選びたいよ」
年上2人を敵に回し部が悪いのか ふん と鼻を鳴らしずんずんとおひとりでアデル様は歩いて行かれました。
あらこんなに幼い時から他の方を思われていたのね
ほんとにどこを好きになったにかしら……
「ルーナ嫌なら父上にお願いすれば婚約者にならずにすむよ。」
ステファニー様の美しすぎる声とお顔で突然声をかけられたものだから顔が真っ赤になってしまい子供相手にときめく16歳の風上にも置けないと恥ずかしくなり拳を握り俯く。
だって相手は子供と言っても美しすぎるし身長だって6歳の私が小さいのとステファニー様が大きいので頭1つ分は高い。
こんなんじゃショタコンだと思われてしまうわ!!
(見た目子供同士なので誰も思わないことにきずいてない)
いつまでも顔を赤くし恥ずかしさで俯き震える私を見て
ショタコンきもい と思ってしまったのかしら
最後の優しさを振り絞って数回頭を撫でてくれましたが
どこかへいってしまわれました
その間お兄様は
「ルーナはかわいいよ。大丈夫。アデルおバカさんなだけだから。俺だったらルーナと婚約したいと思うよ」と以前とはかけ離れた言葉をかけてくれて、一瞬家族同士で婚約は無理です
と言いそうになるをこらえ、可愛かったので
「お兄様大好きです」と言っておいた
〜アデル〜
なんだよもう
俺だって意地悪言いたい訳じゃなかったのに!!
勝手に兄上達がフォローに回るからあれが悪いみたいじゃん
後でちゃんとルーナも可愛いって自分でフォロー入れる予定だったのに...
とツンデレ爆発させていた
〜ステファニー〜
弟の態度が最近変だ。
婚約の意味を父上から聞かされもうルーナの婚約者になったつもりでいる。
選ぶのはルーナな事を知らない。
たぶん弟はルーナの事が好きなんだと思う
でも意地悪をするせいでルーナは泣いていた。
慰めるのは不慣れすぎて焦って弟の後をおったのはいいけれどルーナをのこして来たことに後悔する。
ルーナは妹のように可愛いし大切な弟と幸せになるならいいと思う。胸がズシッと重くなるのはなんでなんだろうか...
ー大人たちー
「公爵。そろそろいいじゃないか!正式に我が息子達と婚約させよう」
「陛下!なりませんルーナはまだほんの6歳。殿下たちは立派ですがルーナにはまだ早い!幸せな家庭を築いて欲しいのです。公爵程の地位があれば恋愛結婚だってさせることができるのですぞ!」
「うちの息子達だって幸せにできると意気込んでいたぞ!特にアデルはルーナが大好きなようだ。ステファンだって唯一興味を持った令嬢は今まででエンジェルだけなのだ。頼む公爵!このとおりだ」
とゆう押し問答を繰り広げており
〜母達といえば〜
母と王妃は優雅に2人でティータイムをたのしんでいた。
「そういえば婚約をと陛下がステファニー様のために選んだ伯爵令嬢令嬢とはどうなるましたの?」
「まぁカナリア様ったらお耳が早いのね!」
と対して驚いた様子は無い王妃は優雅にティーカップを持ち上げる
「ステファニーは少し特殊でしょ?なんてゆうか出来すぎているというか。もっと平凡でいいのよって教えてあげたいのよ。王子としてとかではなく1人の子供としてね」
「リリアーナ様それでどうして婚約の話になるのです?」
「だってもう8歳なのに全然異性どころか家族以外の人間?に興味がないのよ!なんでも1人でできるようになってからは尚更!ルーナにはとても優しいからこのまま婚約!って思っていたけどなかなか話がす進まないものだから、ほかの女の子にはどうなのかしらって思って2人を合わせて見たんだけど、ステファンたらニコリともしないし、令嬢が一生懸命話してるのにため息なんてついちゃって、その子泣いちゃって..その後追いかけて謝りなさい!と叱って追いかけさせたのだけど、その子アデルと仲良くなったみたいで、アデルの可愛い子好きにも困ったわ...」
母としての自身を無くすリリアーナを見て、シトリンもステファンと同じ感じだわ…焦った方がいいのかしらと思い悩む母2りなのでした。