ダークエルフと古竜と迷い人。
現在の場所。 なんでも屋のリビングにて。
うん、凄い光景だな。ダークエルフが、四人もうちのリビングに居る。壮観な光景と言うやつだろうか?
リビングには、ナヴィアナさんとそのお姉さん。ナターリアんとそのお姉さん。俺の隣りで、ポテチを食いまくる古竜ならぬ惰竜。
あっ、おい! お前それ5袋目だろ! さすがに食い過ぎだ!
えっ、何? 薄塩、コンソメ、醤油、海苔塩と、塩っ気のある物を食ったから、今度は甘いのがいい? だからチョコのたっぷりかかった、チョコチップ食わせろ? しょうがないなぁーー。って、なるか! 少しは控えろ! 本当に食い過ぎだからな!
まったく、・・・はあーー。
・・・・・・・・それにしても、お姉さん達。ナヴィアナさんとナターリアさんに、負けず劣らずの美人だな。思わず、ほへーと見惚れてしまいそうになる。
「ゴホン! あー、エル。何をジロジロと姉上達を見ているのかな?」
「そうよ! 見過ぎよ! やらしい!」
「・・・・すいません」
「まあまあ。ナヴィちゃんもナタリーちゃんも仲良しさんね」
「な、違います! 誰がこんな奴と!」
そう全力で否定されると、ちょっと傷つくんですけど。ナターリアさん。
「それにしても、君がねえ。ナヴィアナから聞いていたが・・・・うーん。見た目は普通だな」
「ちょっと! ナターシャ姉上! エルに失礼です!」
「エルねえ。名前で呼び合う仲なのかしら? ナヴィちゃん♡」
「うぐっ」
うーーん。ナヴィアナさんとナターリアさんのお姉さんは、何と言うか、一癖も二癖もありそうな人だな。
「さてと、ちゃんと自己紹介しないといけないわね。ナヴィアナの姉、オルターニャよ」
「私はナターリアの姉のナターシャだ。宜しく」
「はい。エルです。なんでも屋の店長をしてます。えっと、あの、や、宜しくお願いします」
「うふふふ。そんな緊張しないでいいわ。ナヴィちゃんや、ナタリーちゃんと接する感じでお願いね。所で・・・・そちらの方は?」
「「「ゴクリ・・・・・」」」
オルターニャさんが、ララウについて尋ねる。その瞬間、場の空気が変わった。ダークエルフの面々には、緊張が見てとれた。
「えーと、コイツは・・・・「コイツではない! 古竜のララウである。ダークエルフ共、頭が高いぞ!」
お前はの水戸の黄○様か!
ナヴィアナさん以外の面々は「「「古竜・・・・」」」と呟き息を呑んだ。ナヴィアナは「はあーー」と深く溜め息を吐いた。
「ちょ、ちょっとナヴィアナ! どう言う事よ! ララウって、この前会った古竜じゃ・・・・いえ、そんな事よりも! 何で古竜がここに居るのよ! って言うか! 何で人型なの!」
ナターリアさんの怒涛の詰め寄りに、ナターリアさんは「はあー」と一呼吸。そして「簡単に説明するとだな。・・・・全部エルの所為」と言い放った。
えっ、ちょっと! ナヴィアナさん?! いや、確かに連れて帰ってのは俺だけど。いや、連れ帰ったと言うより、着いて来たが正しいし! 別に俺の所為では・・・・ないよな? うん。絶対俺の所為ではない! はず・・・・。
「古竜か。成る程、確かに内包している魔力が桁違いだ。
・・・・ふっ、久々に怖いと思う者に会ったな」
なんか、ナターシャさんがやる気になっている?
「ん? ダークエルフの小娘よ。我に喧嘩でも打っているのか?
身の程をしれよ」
「小娘か。可愛らしい古竜さんに言われるとはな」
二人の間に、バチバチッと言う効果音が聞こえてきそうだ。
ナターシャさんて・・・・武闘派なのか? 頼むから、ここで暴れないでね。そんな事を考えていると「もう、ナターシャ! こんな所で喧嘩売らないの!」とオルターニャさんが諌めた。
良く止めたオルターニャさん!
「やるなら外の、人のいない場所でやりなさい!」
あの、オルターニャさん? そうじゃないですよ。今のタイミングは、喧嘩を止める所ですからね。
「ふん。エルの実力も分からない小娘が。我に勝つなど、天地がひっくり返っても無いわ!」
「・・・・ほう、古竜が認めるほどか。エル君と言ったな。ちょっと、手合わせでも・・・」
「ナターシャ姉上! そんな事のために来たのではないしょう!
エルに迷惑をかけないで下さい!」
「ん、確かに手合わせしてる暇は、今は無いな」
「そうですナターシャ姉様! さっさと本題に入りましょう!」
「そうね。そうしましょう。エルちゃん」
エルちゃん?
「実はエルちゃんにお願いがあって来たの」
まあ、そうでなければ来ないですよね。
「それで、あのー。お願いと言うのは・・・・」
さっきまでの和かに談笑していた姿とは一変し。とても真面目な表情でになったオルターニャさん。
「エルちゃん!」
「は、はい!」
「エルちゃんに・・・・どうしても作ってもらいたい物があるの!」
作ってもらいたい物?