表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/68

アイスクリームとかき氷 その3


「かき氷・・・・ですか?」


「はい」


「かちごろり?」


「か・き・ご・お・り、だよ。アンネちゃん」


「かちゅごろり?」


 ふふっ、めっちゅ癒されるし、和むなぁー。おっと、かき氷の説明しないと。


「えーと、かき氷って言うのは・・・・氷を・・・・えーと、削ってですね。そんでもって・・・・あの・・・・見せた方が早いですよね?」


 ポカーンと聞いている二人を見て、口で説明するのを諦めた。


「は、はい、すみません。その方が助かります」


「にぃたん・・なにいってりゅかわかんにゃい」


 分からない事言ってごめんね、アンネちゃん。


「それじゃあ、ちょっとうちに上がって下さい。中で見せますから」


「はい」「ひゃーーい」


 二人を連れ、店から居住スペースの部屋へ。お店は、ちょうどお客が居なくなったので、休憩中の看板を出しておいた。


「さてと、まずはかき氷を作る機械と言うか、道具が必要なんです。それがコレなんですけど」


「コレがかき氷機?」


「かっこいいにょ!」


 金属製のかき氷機を二人に見せると。アンナさんは、恐る恐るかき氷機を見つめ。アンネちゃんは、初めて見たかき氷を気に入ったのか。ぴょんぴょん跳ねていた。


 このかき氷機は、アイスを食べていた時になんとなーく。食べたくなったのをきっかけに用意した。ゲーム、カオスフロンティアの夏イベで、かき氷機のレシピを手に入れていたので、作るのに苦労はしなかった。


「えーと、じゃあ説明しますね。まず、ここに氷をセットしてと。動かないように固定したら、ここを回す・・・・おっと皿を置いとかないと。じゃあ行きますね。くるくるくる」


「わーー! ゆきゅがふってきちゃ!」


「凄いですね・・・・って! どうして氷があるんです?! 

 今、夏前ですよ!」


「えっ? 魔法で水を凍らせたからですけど・・・・どうしたんですか? そんなに驚く事でも・・「いえ、驚きますよ!」


 ん? なんでそんなに驚くんだろう?


「氷なんて、普通はお金持ちの方や、貴族のでも無いと・・・・」


 あぁ、そう言う事ね。でも、それを言ったらアイスクリームは?

 なんだろ、急に怖くなって来たな。案外、とんでも無い物を俺は売っていたのか? 


 ・・・・まあ、いいか。問題になった時に考えよう。


「と、兎に角、こうやって氷を削って・・・・その上にイチゴ味の赤いシロップをかける。お好みで果物なんかをトッピングしてと。はい完成!」


「コレがかき氷」


「かきごろり」


「食べてみて下さい」


「冷たい! 甘い! 美味しい!」


「ちゅめたくてあまいねー!」


 どうやら二人は、とても気に入ってくれたようだ。


「暑い日に、このかき氷なら・・・・でも」


「でも?」


「氷は欲しいと思っても、手に入る物では・・・・それに、この暑さで溶けてしまっては意味が・・・・」


「氷? 氷なら俺が卸しますよ? それに、氷を保存する冷蔵庫も貸しますよ?」


「えっ、いいんですか? いくらなんでも、そこまでしてもらう訳には・・・・」


「いえ、氷を用意するのに、それ程手間がかかる訳でもありませんし。冷蔵庫はお貸しする事で、俺に利がありますから」


「そう、なんですか?」


「はい。それに、アンネちゃんが笑っていると。俺も嬉しいので」


「・・・・ありがとうございます。アンネあなたも・・・・」


「ん? アンネちゃん・・・・」


 俺とアンナさんは、アンネちゃんを見て言葉を失った。

 何故か?


 アンネちゃんは、かき氷にかけた赤いシロップで、口のまわりや服を真っ赤に染めていた。


「ぷっ、ふふふ。アンネったら」


「アンネちゃん。ほら拭いて」


「ん? どうちたんでしゅか?」


 ふははは、いや本当に癒される。


 その後、夏限定でかき氷をお店で販売し始めた。勿論、大盛況。

 最も暑くなるお昼時には、長蛇の列を作る程にだ。


「はい、かき氷ですね。イチゴ味と・・・・レモン味ですね。少々お待ち下さい!」


「おまちくだちゃい」


 アンネちゃんも、頑張ってお手伝いしている。その姿は、とても微笑ましい。 よし、俺も頑張らないととな。


「店長! また冷蔵庫の注文が!」


「はいはーい! 最低でも一カ月待ちだって言っといて!」


「分かりましたーー!」


 利はあったが・・・・死にそうなくらい大変なんだが。


「店長! また注文が! それと、アンナさんから氷を追加して欲しいと!」


「はいはーーーーい! 了解でーーす!」

 あぁ、もう! 忙しい!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ