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悪夢
「痛たたたー。やっぱり先輩容赦ないなー。しかも、バレないところ徹底して殴ってくる」
一見大丈夫そうな瑠璃がよろめきながら、部室から出てくる
「先輩。受験のストレスのせいかいつもより痛かったなー」
瑠璃は笑顔で取り繕い、朝、気分爽快に走った道をよろめきながら歩く
そんな中、瑠璃の脳を満たすのは恐怖しか抱かない先輩の姿とその悪魔のような笑い声。
最初は、陰湿な嫌がらせから始まった。
物がなくなり、それがゴミ箱から発見される
そこまでは、まだ気にしてはいなかった
それが上履きの中に画鋲を入れたり、トイレの水を上から被せたりとどんどんエスカレートしていって、直接殴る蹴るへと至った
ようやく、家に着くと同時にしんどさからソファに横たわる
父は働いているため、家にいない
瑠璃は我慢から解放されて一人寂しく泣いていた
瑠璃が、先輩の彼氏を取ったのが原因らしい。
しかしそんな事は事実無根で、ただ瑠璃がその先輩の元彼と楽しそうに喋っている所を勘違いしただけだ。
その理不尽に瑠璃は涙を流す
「私は、私は、でも。ひぐっ」
瑠璃は、深く深く




