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悪役令嬢は現代世界に転移する!?  作者: リンリン
ボランティア部⁉︎
35/40

主人公は登校する!?



 朝、起きて弁当を作り、朝飯もつくり起こしに行くと、瑠璃はいなかった。

アイだけが瑠璃の部屋にいる。


 いつものように叩き起こし、寝ぼけるアイに問いかけた。


「義姉さんは?」

「部活らしいです」

「弁当は・・・・・俺が持ってくか」


 部屋から出て、リビングに戻る。

空は朝食をテーブルに並べた。


「・・・・・居候させてもらっているお礼とかできませんか?」


「エッチなことはしないんじゃなかったのか?」

「し、し、しません! ただ、何もしないのは違う気がしまして・・・・・」


「別に気にしなくていいぞ? 俺らには何の不利益もないし」


 アイは小さな口でパンに噛みつき、齧る。


「・・・・・人は助け合う生き物です。助け合うことで人は全てを支配する魔王や世界の覇者とまで呼ばれていたドラゴンまでも倒せるようになりました」


 アイは小さい口を動かしながら、話す。


「ただ、その助けが一方的であった場合は違います。何も生みません」


「気にしなくていいはダメなのか?」


「気持ちの問題ですので」


 空は残りのパンを平らげる。


「俺らとアイの関係ってその程度なのか?」


「いえ! 私は2人の事を・・・・・家族のようだと思っています」


 それを聞いた空は笑った。


「じゃあ、産んでるじゃねぇか。ってことは、一方的な助け合いじゃないって事だ」


「そ、それはそうかもしれませんが」


「家族なら、利益不利益や貸し借りを考えちゃいけないらしいぞ?」


 アイは頬にパンを詰めながら首を傾げる。


「らしい?」


「ああ。父さんの・・・・・遺言みたいなもんだ。まだ、納得はできてないけどな」


「そう・・・・・ですか」


 空は機嫌が良さそうに牛乳を啜る。


「・・・・・どうしても、何かしたいと言うのなら家政婦、アイにわかりやすくいうならメイドだな。その真似事でもしてみればいいんじゃないか?」


「メイド・・・・・ですか」


「そう。それだけでも助かるからな」


 アイは空の言葉に驚愕しつつも冷静を保ち、受け答えする。


「わかりました」


「じゃ、俺行ってくるから」


「行ってらっしゃいませ。ご主人様?」


「冗談だよな? じゃ行ってくる」


 いつも通りというには通っていない通学路を通る。

同じ制服の人が次々と合流し始め、もう肌寒いということはなく、半袖の学生もちらほらいる。


 日の光を浴びて大きく伸びをする。

イヤホンをつけようとするが、携帯が水没していることに気が付き、辞めた。


 寝不足も相まって、少し眠いが些細なことだろう。


「おはようであります! 昨日はアイさんと凛さんが行方不明になって大変であったでありますね!」


 その語尾で誰か一瞬でわかった。

天体観測部。部長:馬場 風。


「おはよ」

「昨日は楽しかったであります!」

「そうだな」


 それで沈黙が生まれてしまう。

互いに友達がそんなにいないのでコミュニケーションが取りづらいのだ。


 そのまま沈黙を保ったまま学校に着いてしまった。


「そういえば、男子には大丈夫になったのか? 最初怖言ってたろ?」


「空とは色々ヤった仲なので友達であります!」


 周りの目が何故か異様に殺気立っているが気のせいだろう。


「友達・・・・・」


「え、違うでありますか?」


 前髪の隙間から見える可愛らしい瞳に塩水が溜まっていた。

 空は慌てて首を振る。


「友達だな」


「はいであります!」


「私もね!」


 割り込んできたのは相川だった。

相川は、風にハイタッチを求める構えをしている。

風は驚きつつも、相川の手を軽く叩いた。


「バッグ持とうか?」

「大丈夫ー」

「大丈夫であります!」


 空は相川と風に気を使い、聞いたがフラれてしまった。


「本当にこの学校、なんで土曜日に学校あるかなぁ」


「仕方ないであります! その分、夏休みが長いからいいではないでありますか」


「それはそうなんだけどねぇ」


 ということは、もうすぐ夏休みなのかと思い、空は聞く。


「夏休みっていつからなんだ?」


「7/10」


「・・・・・元いた学校、7/5からで土曜ないんだが」


「聞きたくないであります!」


「あー聞きたくないぃ」


 その事実を聞かないようにと、2人は耳を塞ぎながら目を瞑る。


 テニスコート前を通ると、瑠璃が練習している姿が見えた。

 相川と風が、大きく手を振ると瑠璃は、空達に気がついて、手を振りかえす。

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