悪役令嬢は見つかった!?
アイは暗くなり帰ろうと、立ち上がると綺麗な夜空に気がつく。
惜しいが帰ろうとアイは後ろを振り向く。
すると、帰り道のわからない自分がいた。
アイはオロオロと、狼狽える。
「いた・・・・・・」
そこに空が出てきた。
かなり走った様子で、汗をかなりかいていた。
「空様! 風邪をひいていらっしゃったのに、無理を・・・・・。どうかしたのですか?」
「いや、もう9時だから・・・・・・流石に帰ってきてないのはおかしい」
空は膝に手をつき、暴れる心臓を落ち着かせる。
そして、深呼吸をしてから再びアイの方を向く
「心配してたぞ。瑠璃が」
「すみません」
アイはしゅんとしてしまう、それを見た空は笑顔を作り、手を差し伸ばす。
「瑠璃が夕飯用意してるらしいから、帰るぞ」
「はい」
アイは、空の手を取り帰路につく。
昼のように走ってではなく、ゆっくりと歩いて。
周りが全くと言っていいほど、様子が違い、別の場所を歩いているかのようだった。
だが、昨日のように不安はない。
空のおかげでここにいる自覚ができた。
瑠璃のおかげでここの生活がかなり短い時間で慣れることができた。
家族____そんな言葉が頭をよぎる。
本当の家族とは、あまり仲が良くなくて、とても
とても新鮮だった
空は、家のドアを開ける。
すると、心配した様子で電話をしている瑠璃がいた。
「見つかった」
「・・・・・・よかったぁぁぁぁ」
瑠璃はストンと床に尻餅をつき、電話を地面にぶつけてしまう。
「あっ、見つかった連絡、みんなにしなきゃ。ご飯食べてて」
瑠璃は、色んな人に電話をかけてアイを探してもらっていた。
もし、アイがあの河原にいなかったときの保険だ。
泣きながらお礼を言う瑠璃を横目にアイは申し訳なくなりながら、手を洗う。
そして、空と共にテーブル席についた。
夕飯のメニューは、ハンバーグのようで空達は喜んでいた。
アイはまだ、箸の扱いに慣れておらず苦戦している
「手伝おうか?」
「だい、じょうぶ、です!」
そう言うのでその間に、空はご飯に手をつける
ハンバーグを二つに箸で切ると途中でつっかえた。
中はまだ赤く、凍りついていた。
空は、ん? と思うが、外側だけ切り外す。
中まで焼けてない。
唯一の野菜、ニンジンを口に入れるとガリという音と共に何かピロピロとしたものが分離した。
空は、ん? と思うが、ティッシュにそれを出す。
皮剥けてない上に、火が通ってない。
空は気を取り直し、瑠璃の用意した米を食べると、ぐちゃりと気持ち悪い感触と共に苦味とぬめりが発生した。
デジャブ?
全空は思い出した。
アイに料理を教えたのが誰だかを。




