悪役令嬢は泣く!?
前話、改訂しました。
すみません
空は先に帰った。
アイは一人で残った。
アイは自然と一体となり、揺らされながら、今まで起こったことを思い耽る。
「一緒に帰った方がよかったかな?」
アイはそう思って草の布団の上で寝っ転がり、天を眺めた。
「・・・・・・自分の悩みがちっぽけに見えて来る」
悪役令嬢であり、箱入り娘でもあるアイはこの景色に空の想像の三十倍は感動を受けていた。
自由____を感じる。
アイは、自分の両目に手を乗せる。
アイは、泣いた。
悲しみに、寂しさに、不安に、自分の情けなさに、
自分の失恋に
我慢していた全てのことを解放して大泣きした。
声を上げた。
立ち上がり、全てをぶちまけた。
「なんであの子なのよ!
私のこと好きって言ってたくせに!
私頑張ったのに!
殿下は・・・・・・なんで、なんでなのよーーー!
確かに私も悪かったとは思うけど、最初は貴方の浮気が原因でしょ!!
それを棚に上げて私を責め立てるなんていい度胸ね!
何あの目! 怖い! 人に向けちゃいけない目でしょ!
寄ってたかってみんなして乙女を責め立てて!
なにが嫌がらせよ!
免罪符があったから、人を傷つけていいわけ!?
あの女もあの女よ! なんで、人の男取って正義ヅラしてられるわけ?! 私は何も悪くありませんみたいな!
責めたいのはこっちよ!!
アホーーーーー!
バカーーーーーーー!
バカーーーーーーーーーーーーー!!!」
めいいっぱい叫んだ
口は多少悪くなったが、スッキリし再び、地面に座ると、『精霊』が寄ってきて嬉しそうにアイの周りを舞う。
「こんなところにいるなんて、道理で他のところじゃ魔法の効果が弱かったわけね」
精霊は、普通は見えない。
しかし、アイは特殊だった。
まぁ、それも失恋する原因の一つとなってしまったわけだが、友達がいないアイの心の支えにもなってくれた存在だった。
精霊は高潔で、熱血で、綺麗な血を好む。
今この瞬間、アイのそこに触れたのだろう。
周りにやってきた精霊の粉も相まってどんどん綺麗になっていく風景を眺めながら深いため息を吐く。
(心が洗われる)
そんな感覚に陥っていた。
真っ赤に染まる太陽の中、炎の精霊が赤い粉を振り撒き、
光の精霊は川の中で水の精霊と遊んで天の川のようにも映し、
闇の精霊は、天を舞い逆の星のような黒い空間を作り出す
その風景が一つにつながる。
アイはそれをひたすらに眺めていた。